オジイサンノイスノモノガタリ

おじいさんの椅子の物語

ホーソーンの描くアメリカ建国史と偉人伝  

ナサニエル・ホーソーン 著
大野美砂/髙尾直知/中西佳世子 訳

発売日 2025/08/25

判型 四六判   ISBN 978-4-336-07769-1

ページ数 472 頁   Cコード 0098

定価 3,520円 (本体価格3,200円)

【内容紹介】

*本書「まえがき」より──

この本はアメリカの作家ナサニエル・ホーソーン(1804—1864)が、建国までのアメリカ初期の歴史をこども向けに書いた物語です(第一部~第三部)。

そのあとに偉人伝物語(第四部)がついていますが、こちらはさまざまの偉人のこども時代を描いています。アメリカ建国物語に出てくるのは日本人にはなじみの少ない人たちが多く、偉人伝物語で取りあげられるのも、半分は聞いたことのない人たちかもしれません。でも、戦争あり、インディアンとの交流あり、さらには恋の成就や英雄の活躍ありの物語をドキドキハラハラしながら読んでいくと、だれもが信念を持って精いっぱい生きていたとわかるでしょう。人生の道しるべを見つけることができるかもしれません。

ホーソーンは、〈ピューリタン〉と呼ばれる人たちの入植からアメリカの独立にいたる歴史に深い関心を持っていて、多くの作品の舞台にその時代を選んでいます。代表作の長編『緋文字』や、「優しい少年」、「白髪の戦士」、「エンディコットと赤い十字架」、「総督官邸に伝わる物語」のような短編は、まさにこの時代を扱っているので、この本を読んでおもしろそうだと思ったら、ぜひあわせて読んでみてください(どれも日本語の翻訳が出ています)。

【著者紹介】

ナサニエル・ホーソーン

Nathaniel Hawthorne (1804–1864)
マサチューセッツ州セーレム生まれの作家。幼くして父を失い、母方の親戚の援助を得て大学を卒業したあと、作家を目指す。しかし生活に困窮し、友人の助力でセーレム税関に職を得る。政争によってこの職を失うと、あらためて執筆活動に専念し、『緋文字』を出版(1850年)。この作品が評判になり、一躍アメリカを代表する作家として有名に。1854年には在リヴァプール領事官の職を得てイギリスに渡り、1860年までヨーロッパに滞在。1864年、南北戦争中に旅先で没した。

大野美砂 (オオノミサ)

東京海洋大学学術研究院教授。
著書に『ロマンスの倫理と語り——いまホーソーンを読む理由』(共著、開文社出版、2023年)、『海洋国家アメリカの文学的想像力——海軍言説とアンテベラムの作家たち』(共著、開文社出版、2018年)、『ホーソーンの文学的遺産——ロマンスと歴史の変貌』(共著、開文社出版、2016年)、訳書にホレーショ・ブリッジ著『アフリカ巡航者の日誌——ペリー艦隊・奴隷貿易・リベリア』(髙尾直知、中西佳世子と共訳、松籟社、2022年)など。

髙尾直知 (タカオナオチカ)

中央大学文学部教授。
著書に『〈嘆き(モーニング)〉はホーソーンによく似合う』(単著、中央大学出版部、2020年)、『病と障害のアメリカンルネサンス——疫病、ディサビリティ、レジリエンス』(共編著、小鳥遊書房、2025年)、訳書にホレーショ・ブリッジ著『アフリカ巡航者の日誌——ペリー艦隊、奴隷貿易・リベリア』(大野美砂、中西佳世子と共訳、松籟社、2022年)、F・O・マシセン著『アメリカン・ルネサンス——エマソンとホイットマンの時代の芸術と表現』(共訳、上智大学出版局、2011年)など。

中西佳世子 (ナカニシカヨコ)

京都産業大学文化学部教授。
著書に『ホーソーンのプロヴィデンス——芸術思想と長編創作の技法』(単著、開文社出版、2017年)、『ロマンスの倫理と語り——いまホーソーンを読む理由』(共著、開文社出版、2023年)、『海洋国家アメリカの文学的想像力——海軍言説とアンテベラムの作家たち』(共著、開文社出版、2018年)、訳書にホレーショ・ブリッジ著『アフリカ巡航者の日誌——ペリー艦隊・奴隷貿易・リベリア』(髙尾直知、中西佳世子と共訳、松籟社、2022年)など。