ロバート・ワイアット

ロバート・ワイアット

マーカス・オデア 著
須川宗純 訳

発売日 2025/06

判型 A5判   ISBN 978-4-336-07762-2

ページ数 508 頁   Cコード 0073

定価 6,600円 (本体価格6,000円)

【内容紹介】

私たちの心をゆさぶる歌声で稀有な世界を紡いできた英国の伝説的ミュージシャン、ロバート・ワイアット。
カンタベリー・ミュージックを代表するバンド「ソフト・マシーン」でデビュー、1960-70年代のロックシーンにボヘミアンとジャズの展望をもたらした。不慮の事故を経て、歌手および作曲家として再出発を果たす。以来、寡作ながらすぐれたソロアルバムを発表し、「シップビルディング」「アット・ラスト・アイ・アム・フリー」「フリー・ウィル・アンド・テスタメント」などの名曲をものしてきた。
一方で、ブライアン・イーノ、エルヴィス・コステロ、坂本龍一、ポール・ウェラー、ビョーク、クレイマー、ホット・チップなど、ベテランから若手までさまざまなアーティストと協同し、すぐれた作品群をうみだしている。
本書は、多くの人々に影響を与え、時代や国をこえて愛されるロバート・ワイアットの音楽と人生が、膨大な取材と本人の協力のもと丹念に描かれる。多くのミュージシャン、関係者の証言より見えてくる60年代から半世紀の英国音楽シーンの歩みも興味深く、政治と音楽のかかわりも見逃せない。さらには豊富な写真とディスコグラフィ、巻末資料を付した、初にして決定版の公認評伝である。

「本書は、彼の寛大で知的な性格を見事にとらえた評伝であり、ポピュラー音楽の優れた教科書だ」
――ブライアン・イーノ

「アヴァンギャルドな政治的音楽では冗談好きと論争好きは両立しないし、心からあふれる思いと胸を引き裂かれる思いも両立しない。もしそう考えているなら、きみの人生にはロバート・ワイアットが必要だ」――『NME』誌


カバー写真:澁谷征司
装画:アルフリーダ・ベンジ 
装丁:仁木順平

【著者紹介】

マーカス・オデア (マーカス・オデア)

キングストン大学デザイン・美術・創作活動知識交換研究所所長。ブライトンのバンド、パッセンジャーのセッション・ミュージシャンとしてキャリアをスタートし、グラスカットのメンバーとして4枚のアルバムをリリース、ポンピドゥー・センターやロイヤル・アルバート・ホールで演奏した。『ガーディアン』『インディペンデント』『フィナンシャル・タイムズ』に寄稿し、BBCにも出演する。著書に、Distributed Creativity: How Blockchain Will Transform the Creative Economy(Palgrave, 2018)がある。妻と子供たちとともにイギリス在住。

須川宗純 (スガワ・ソウジュン)

編集者・翻訳家・自由研究家。
アメリカンコミックス史、香港歌謡史・映画史、インド映画音楽史などを対象とする。訳書に、スコット・マクラウド『マンガの描き方』(国書刊行会、2023年)、ベンジャミン・ピケット『ヘンリー・カウ 世界とは問題である』(月曜社、2023年)、バリー・マイルズ『フランク・ザッパ』(Pヴァイン、2022年)。
編集を担当した書籍に、椎名亮輔『梨の形をした30の言葉 エリック・サティ箴言集』(アルテス・パブリッシング)、柴田聡子『さばーく』(試聴室)、『初期アメリカ新聞コミック傑作選 1903-1944』(創元社)、高浜寛『トゥー・エスプレッソ』(太田出版)、『文藝別冊 岡崎京子』(河出書房新社)など。