オロカモノドウメイ
愚か者同盟
ジョン・ケネディ・トゥール 著
木原善彦 訳
発売日 2022/07/26
判型 四六変型判 ISBN 978-4-336-07364-8
ページ数 552 頁 Cコード 0097
定価 4,180円 (本体価格3,800円)
【内容紹介】
1960年代。さまざまな人種と階層の人間が行き交う混沌の街、ニューオーリンズ。
無職、肥満、哲学狂、傍若無人な怠け者にして、口達者なひねくれ者の30歳崖っぷち問題児イグネイシャスは、子煩悩な母アイリーンとふたりで郊外の小さな家で暮らしながら、どこに発表するというあてもない論文を、子供向けレポート用紙に書き散らしていた。
しかしある時、ふたりで街に出かけた帰り、母が自動車で他人の家に突っ込んで多額の借金をこさえ、その返済のため、イグネイシャスはしぶしぶ就活を始める。
イグネイシャスは、潰れかけのアパレル工場、次いで零細ホットドッグ移動販売業者で職を得るが、職場では仕事を放り出し、事務所をリボンで飾り付けつつ黒人たちの労働デモを扇動したり、ホットドッグをつまみ食いした挙句に声を掛けてきた怪しい男に屋台を押し付けて映画に出かけたりするなど、好き勝手やり放題。やがて今度は職場から放り出され、警察にも追われるようになったイグネイシャスは、一癖も二癖もある奇人変人たちを巻き込んだり巻き込まれたりしながら逃亡劇を繰り広げ、ニューオーリンズの街に大騒動を巻き起こす——!!!
デヴィッド・ボウイも愛読した、全世界200万部超のロングセラー&1981年度ピュリツァー賞受賞作、J・スウィフト、W・ギャディス、J・ヘラー、D・F・ウォレスの系譜に連なる、アメリカカルト文学史上の伝説的傑作にして、奇人変人たちが暴走する、爆笑《労働ブラックコメディ》が、ついに邦訳!!!
☆全世界200万部超の大ベストセラー
☆1981年度ピュリツァー賞受賞作
☆デヴィッド・ボウイが選ぶ100冊
A Confederacy of Dunces, 1980
◎装画=塩井浩平
◎装幀=山田英春
【著者紹介】
ジョン・ケネディ・トゥール (ジョン・ケネディトゥール)
1937年ルイジアナ州ニューオーリンズ生まれ。小説家。テュレーン大学、コロンビア大学大学院卒業後、大学で教鞭を取る。1961年、軍隊に入隊しスペイン語話者に英語を教える傍ら『愚か者同盟』を執筆しはじめ、除隊後、ニューオーリンズに戻り完成させる。いくつもの出版社に原稿を送るも出版に至らず、1969年、失望の中で出た旅の途中で自死。その後、母テルマが作家ウォーカー・パーシーのもとに原稿を持ち込んだことがきっかけとなり、1980年に刊行。翌年にピュリツァー賞を受賞し、全世界で200万部超のベストセラーとなった。その他の作品に、16歳のときに書いた『ネオン・バイブル』(1989年刊)がある。
木原善彦 (キハラヨシヒコ)
1967年生まれ。京都大学大学院修了。大阪大学大学院人文学研究科教授。著書に『UFOとポストモダン』(平凡社)、『ピンチョンの『逆光』を読む』(世界思想社)、『実験する小説たち』(彩流社)、『アイロニーはなぜ伝わるのか?』(光文社)、訳書にウィリアム・ギャディス『JR』『カーペンターズ・ゴシック』、デイヴィッド・マークソン『ウィトゲンシュタインの愛人』(いずれも国書刊行会)、トマス・ピンチョン『逆光』、リチャード・パワーズ『幸福の遺伝子』『オルフェオ』『オーバーストーリー』、アリ・スミス『両方になる』『秋』『冬』『春』『夏』、オーシャン・ヴオン『地上で僕らはつかの間きらめく』(いずれも新潮社)、ハリー・マシューズ『シガレット』、ハリ・クンズル『民のいない神』、ベン・ラーナー『10:04』、アザリーン・ヴァンデアフリートオルーミ『私はゼブラ』(いずれも白水社)、デイヴィッド・マークソン『これは小説ではない』(水声社)など。ギャディス『JR』は日本翻訳大賞、日本翻訳出版文化賞受賞。