セイシンカイノエクソシズム

精神科医の悪魔祓い

デーモンと闘いつづけた医学者の手記  

リチャード・ギャラガー 著
松田和也 訳

発売日 2021/09/21

判型 四六判   ISBN 978-4-336-07248-1

ページ数 352 頁   Cコード 0010

定価 3,080円 (本体価格2,800円)

【内容紹介】

◆奴らは、いる――。「悪魔憑依」に挑む異色のアメリカ人医師が、25年に及ぶ体験を赤裸々に綴った衝撃のドキュメント。

◆著者のギャラガー博士は一流大学で研鑽を積んだアメリカの精神科医・精神医学者だが、1990年代から、「悪魔憑き」「憑依」と呼ばれる症例に多く接するようになり、医学的観点から〝悪魔憑依〟について診断・研究するようになった。さらにはキリスト教カトリック公認の「祓魔師(エクソシスト)」からもしばしば助力を乞われ、〝悪魔祓い〟の現場に幾度も立ち合い、その現実を目の当たりにしてきた。
 本書はそんな特異な経歴と実績をもつ精神科医がこれまでの「症例」について詳細にレポートし、かつ深い分析を加えたもので、原著の刊行は2020年。関係者のあいだでは待望されていた1冊である。
 科学的・医学的世界と悪魔祓いの世界という2つの対極的世界を長年にわたって歩んできたギャラガー博士によれば、悪魔憑依の症例は、本人がそう思い込んでいるだけ、つまり何らかの精神疾患や精神病に起因するものが圧倒的に多い。しかし、明らかにこれにはあてはまらないケースも確実に存在する。祓魔式の最中に30分間も空中浮揚した女性、憑依状態になると全く知らないはずの複数の言語をわめいて暴れ回る女性、憑依に陥ると体重200ポンドの男性を軽々と投げ飛ばす小柄な女性、消息を絶った真正の悪魔崇拝者……。
 このような数多くの瞠目すべき例を紹介しながら、著者は、科学的知見を超越した「悪霊」「悪魔」の存在が疑いえないことを、明らかにしてゆく。
 現代アメリカにおける悪魔憑依現象の実態について、豊富な実体験にもとづいて冷静に分析してみせた本書は、現代社会がサイキックな問題であふれかえっていることを雄弁に物語っている。

◆本書はリチャード・ギャラガー著『悪魔なる仇敵――憑依、悪魔の攻撃、および超自然を探究した精神科医としての我が25年』(Richard Gallagher, MD: Demonic Foes: My Twenty-Five Years As A Psychiatrist Investigating Possessions, Diabolic Attacks, And The Paranormal, HarperOne, New York, 2020)の全訳です。

【著者紹介】

リチャード・ギャラガー (リチャードギャラガー)

アメリカの精神科医。プリンストン大学卒業。ニューヨーク医科大学臨床精神科教授、コロンビア大学精神分析研究所教授会員、国際祓魔師協会会員。1990年代から「悪魔憑き」「憑依」の症例にたびたび遭遇。医師・医学者としてその診断・治療に携わり、またこの問題に取り組むカトリック司祭、ラビなどの宗教的聖職者や祓魔師(エクソシスト)の相談役を務める。「憑依」の診断・研究に関する精神医学分野におけるエキスパートにして第一人者。

松田和也 (マツダカズヤ)

翻訳家。スティーブン・ネイフ他『ファン・ゴッホの生涯』、マグナス・ヘイスティングス『WHY DRAG?』(以上国書刊行会)、ジュリア・ブラックバーン『黒の画家 フランシスコ・ゴヤ』、W. W. Y. ウォング『ゴッホ・オンデマンド』(以上青土社)、バート・D. アーマン『書き換えられた聖書』(ちくま学芸文庫)等、翻訳書多数。