写真と歴史でたどる日本近代建築大観 3
シャシントレキシデタドルニッポンキンダイケンチクタイカン
写真と歴史でたどる日本近代建築大観 第3巻
激動する世界と建築の転換
石田潤一郎/米山勇 監修
伊藤隆之 写真
発売日 2021/09/22
判型 A4判 ISBN 978-4-336-07088-3
ページ数 272 頁 Cコード 0652
定価 16,500円 (本体価格15,000円)
- シリーズ: 写真と歴史でたどる日本近代建築大観 (シャシントレキシデタドルニホンキンダイケンチクタイカン)
- 幕末から明治・大正・昭和前期に至る「近代」は、「欧米列強に追い付け、追い越せ」を合言葉に日本国民がたどった激動の時代であった。そうした中にあって、建物は権威や富の象徴としての一面もあったが、そこに住んだ人々にとっては心の疲れを癒すくつろぎの場であり、安らぎの場であった。それだけに、それらを設計した建築家や建設した施工者、依頼した施主には、それぞれの深い思いや愛着があったに違いない。本シリーズは、戦後75年を経た今でも各所に残る主な近代建築300棟を、建設当時の時代背景を交えながらカラー写真で紹介した書籍版「日本近代建築博物館」を目指したものである。幕末の開港以降、160年余の時空を超えて蘇る人々の「記憶」をじっくりと味わって頂きたい。
【内容紹介】
幕末から明治・大正・昭和前期に至る「近代」は、「欧米列強に追い付け、追い越せ」を合言葉に日本国民がたどった激動の時代であった。そうした中にあって、建物は権威や富の象徴としての一面もあったが、そこに住んだ人々にとっては心の疲れを癒すくつろぎの場であり、安らぎの場であった。それだけに、それらを設計した建築家や建設した施工者、依頼した施主には、それぞれの深い思いや愛着があったに違いない。
本シリーズは、戦後75年を経た今でも各所に残る主な近代建築300棟を、建設当時の時代背景を交えながらカラー写真で紹介した書籍版「日本近代建築博物館」を目指したものである。幕末の開港以降、160年余の時空を超えて蘇る人々の「記憶」をじっくりと味わって頂きたい。
◆収録内容
【第1章】経済の爛熟と都市化の波
時代の流れ/大阪倶楽部/神戸税関本関庁舎/旧三井銀行小樽支店/愛媛県庁本館/市政会館・日比谷公会堂/三井本館/旧住友ビルディング(三井住友銀行大阪本店ビル)/近三ビルヂング/綿業会館/【コラム①】綿産業が築いた大阪/旧大倉精神文化研究所本館(横浜市大倉山記念館)/木村産業研究所(弘前こぎん研究所)/大阪ガスビルディング/明治生命館/横浜税関本関庁舎/静岡市役所本館/宇部市渡辺翁記念会館/旧第一生命館(DNタワー21)
【第2章】住まいの多様化と住宅改良の試み
時代の流れ/旧鳩山一郎邸(鳩山会館)/旧山邑家住宅(ヨドコウ迎賓館)/旧矢橋亮吉邸(南陽倶楽部)/小出邸/青淵文庫/【コラム②】郊外住宅と田園都市の建設/旧小笠原伯爵邸/旧駒井卓邸(駒井卓・静江記念館)/三河家住宅/旧藤井厚二自邸(聴竹居)/旧新田長次郎邸(松山大学温山記念会館)/旧前田家本邸洋館/旧華頂宮邸/旧ベリック邸(ベーリックホール)/旧朝吹山荘(睡鳩荘)/旧加賀正太郎邸(アサヒビール大山崎山荘美術館本館)/旧本多忠次邸/旧朝香宮邸(東京都庭園美術館)/【コラム③】宮家の悲劇が生んだ名建築/同潤会江戸川アパートメント/旧細川侯爵邸(和敬塾本館)/土浦亀城邸/旧乾邸洋館/雅俗山荘(小林一三記念館)/旧原邦造邸/旧マッケンジー住宅/前川國男邸
【第3章】余暇の空間と文化施設
時代の流れ/帝国ホテル中央玄関/東華菜館/聖徳記念絵画館/ホテルニューグランド本館/片倉館/旧イタリア大使館別荘/旧甲子園ホテル(武庫川女子大学甲子園会館)/旧服部時計店本社(和光本館)/日本橋高島屋本館/ビヤホールライオン銀座七丁目店/旧目黒雅叙園百段階段(ホテル雅叙園東京)/旧日向別邸/万平ホテルアルプス館/十和田ホテル本館/【コラム④】信仰と建築の伝道者・ヴォーリズ/早稲田大学諸施設/一橋大学諸施設/関西学院大学諸施設/旧北海道帝国大学理学部本館(北海道大学総合博物館)/神戸女学院諸施設/旧四谷第五小学校
【第4章】国粋主義とアジアへのまなざし
時代の流れ/旧朝鮮総督府庁舎/旧李王家邸(赤坂プリンスクラシックハウス)/満州国の諸建築/【コラム⑤】設計競技の実態/築地本願寺/旧琵琶湖ホテル(びわ湖大津館)/旧軍人会館(九段会館)/国会議事堂/旧東京帝室博物館本館(東京国立博物館本館)/愛知県庁本庁舎/俳聖殿/岩国徴古館
【第5章】戦後復興と建築の新風
時代の流れ/旧井上房一郎邸/旧神奈川県立近代美術館/日土小学校/神奈川県立音楽堂・図書館/世界平和記念聖堂/広島平和記念資料館本館/【コラム⑥】東京タワーを生み出した耐震技術/香川県庁舎旧本館(香川県庁舎東館)/国立西洋美術館本館/大和文華館/東京文化会館
【著者紹介】
石田潤一郎 (イシダジュンイチロウ)
建築史家。1952年鹿児島県生まれ。京都大学大学院工学研究科建築学専攻博士後期課程修了。工学博士。京都大学工学部助手、滋賀県立大学助教授を経て、2001年より京都工芸繊維大学教授に就任。2003年「近代日本の建築と建築家に関する多面的な研究」で日本建築学会賞(論文)受賞、2015年「村野藤吾図面資料アーカイブを用いた一連の展覧会・教育・研究事業」で同学会賞(業績)を共同受賞。2018年同大退官、名誉教授。現在は武庫川女子大学建築学部教授。専門は、日本近代建築史・都市史。
主な著書:『日本の建築〔明治大正昭和〕7 ブルジョワジーの装飾』(三省堂)、『都道府県庁舎―その建築史的考察』(思文閣出版)、『関西の近代建築 ウォートルスから村野藤吾まで』(中央公論美術出版)、監修:『関西のモダニズム建築』(淡交社)など。
米山勇 (ヨネヤマイサム)
建築史家。1965年東京都生まれ。早稲田大学大学院理工学研究科博士後期課程修了、工学博士。日本学術振興会特別研究員、早稲田大学非常勤講師、日本女子大学非常勤講師などを経て、現在は江戸東京博物館研究員。建築の魅力を広く伝える講演・啓蒙活動を実践、2013年日本建築学会教育賞(教育貢献)受賞。日本銭湯文化協会理事。専門は日本近現代建築史、江戸東京の建築・都市史。
主な著書:『けんちく体操』、『時代の地図で巡る東京建築マップ』(ともに共著、エクスナレッジ)、『米山勇の名住宅鑑賞術』(TOTO出版)、監修:『日本近代建築大全 東日本篇・西日本篇』(講談社、監修及び執筆)、『世界がうらやむニッポンのモダニズム建築』(地球丸)など。
伊藤隆之 (イトウタカユキ)
近代建築写真家。1964年埼玉県生まれ。早稲田大学芸術学校空間映像科卒業。約35年にわたって、日本各地の近代建築物件を踏査・撮影。2000年以降は、戦前日本の植民地や租借地とされてきた主要都市や建築物、さらには日本の近代建築に影響を与えた19世紀末以降のヨーロッパにおける主要建築の取材・撮影を刊行。これまでの撮影物件数は、約2600件に及ぶ。
その間、「盛美館―和洋折衷のかたち―」、「記憶の間」などの個展を開催。主な著作:『日本近代建築大全 東日本編・西日本編』(講談社、米山勇監修)、『死ぬまでに見たい洋館の最高傑作』(エクスナレッジ、内田青蔵監修)、『日本が世界に誇る名作モダン建築』(エムディエヌコーポレーション)など。