マリ・ド・メディシス

マリ・ド・メディシス

母と息子の骨肉の争い  

ミシェル・カルモナ 著
辻谷泰志 訳

発売日 2020/12/24

判型 A5判   ISBN 978-4-336-06605-3

ページ数 896 頁   Cコード 0022

定価 9,680円 (本体価格8,800円)

【内容紹介】

イタリアのトスカナ大公国の公女マリ・ド・メディシスは仏王アンリ四世と結婚したが、それはフランスがメディチ家の銀行に負う債務を棒引きにする「勘定ずくの結婚」だった。夫の愛妾をめぐって夫婦喧嘩は絶えず、マリの宝石好きで常に金銭問題に悩まされる。夫の暗殺後、マリは息子のルイ十三世の摂政となる。横暴に振る舞う彼女の寵臣コンチーニの暗殺とレオノラの処刑後、ブロワ城に幽閉されるが、脱出。不満を抱く諸侯と組んで息子の国王に対し二度にわたる「母子戦争」を挑む。家臣のリシュリューのおかげで政権の座に返り咲くが、枢機卿、宰相に登りつめたリシュリューと対立。国王に彼の更迭を求めるが、ルイは枢機卿を宰相にとどめる(「欺かれし人々の日」)。失意のマリはネーデルラント、イングランドに亡命。溺愛する王子ガストンとともに祖国に対し陰謀を企てるが……。

諮問会議で大臣同士がつかみ合い寸前になり、王妃の戴冠式で外国大使同士が殴り合う。母后マリの縄梯子を使ったブロワ城からの脱出劇。政権に対する諸侯の陰謀と反乱。決闘で命を落とす貴族が一年間で2000人。新王妃アンヌ・ドートリッシュと英国海軍卿バッキンガム公の秘めた恋。まさにデュマの『三銃士』の世界! 
波乱万丈の女性の生涯を描く大著、ついに刊行!
ウジェーヌ=ピカール賞、受賞作。

【著者紹介】

ミシェル・カルモナ

1940年、エジプトのカイロ生まれ。のちにフランスに帰化。高等師範学校出身の歴史家、地理学者。リシュリュー研究の第一人者。ソルボンヌ大学で国土整備学、都市計画学の講座を受けもつ。『マリ・ド・メディシス』(1981年)でアカデミー・フランセーズのウジェーヌ=ピカール賞を受賞。他に『リシュリュー 野望と権力』(1984年)、『オスマン』(2000年)、『ルーヴルとチュイルリー』(2004年)、『パリ 首都の歴史』(2011年)、『ポール=ロワイヤル』(2018年)など著書多数。


辻谷泰志 (ツジヤヤスシ)

1949年生まれ。立教大学大学院文学研究科フランス語フランス文学専攻修士課程中退。2022年11月永逝。
 訳書:ルネ・ゲルダン『フランソワ一世』、セルジュ・ブリュソロ『闇夜にさまよう女』『マリ・ド・メディシス』(三作とも国書刊行会)。