ゲンダイイスラームノツレヅレグサ

現代イスラームの徒然草

アフマド・アミーン 著者
水谷周 編訳者

発売日 2020/11/19

判型 四六判   ISBN 978-4-336-07078-4

ページ数 240 頁   Cコード 0014

定価 2,750円 (本体価格2,500円)

【内容紹介】

約50冊の書籍と700本の論考(『溢れる随想』全10巻)を残した著者アフマド・アミーンの論述は、膨大な山脈のようなものである。欧米の圧倒的な文明に直面して、社会、言語、文学、宗教、政治、文明など、あらゆる分野での改革を訴え続けた。本書はそのアンソロジーであるが、彼の人生論、宗教論、文明論の概要はすべてカバーされている。そう明言するのは、訳者の30年に渉る山脈探査の結果である。人は何のために生きるのか、それは善行を積むためと規定するのがイスラームであり、その先行きにある絶対善をアッラーと称する。宗教は幻想や戯言ではなく、人が直観の働きにより、存在の真実を極める方途であり体系であるとする。そこに見られる人間性が物質的な西欧文明を補完するとして、東洋の文明に大いに期待している。原理主義にばかり注目されがちな現代イスラームではあるが、もう一方ではこのように穏当な主義主張が脈々と流れているのである。  

【著者紹介】

アフマド・アミーン

1886~1954年。イスラームの歴史家、思想家。エジプトのカイロに生まれる。アズハル大学、イスラム法学院で学び、カイロ大学教授、王立アラビア語アカデミー会員を務めた。雑誌『リサーラ』『サカーファ』を中心に文芸評論を執筆。多数の著作を残す。代表作に『エジプト慣習・伝統・表現辞典』『イスラムの夜明け』など。

水谷周 (ミズタニマコト)

京都大学文学部卒、博士(イスラーム思想史)、(社)日本宗教信仰復興会議代表理事、日本ムスリム協会理事、国際宗教研究所顧問など。日本における宗教的覚醒とイスラームの深みと広さの啓発に努める。
著書多数:『イスラーム信仰概論』明石書店、2016年、『イスラームの善と悪』平凡社新書、2012年、『イスラーム信仰とその基礎概念』晃洋書房、2015年、『イスラーム信仰とアッラー』知泉書館、2010年。(以下は国書刊行会)『イスラーム信仰叢書』全10巻、総編集・著作、2010~12年、『クルアーン―やさしい和訳』監訳著、2019年、『黄金期イスラームの徒然草』2019年、『現代イスラームの徒然草』2020年、『イスラーム用語の新研究』2021年、『祈りは人の半分』鎌田東二共著、2021年、『信仰の滴』2022年、『信仰は訴える』2023年、『宗教と科学のせめぎ合い』2023年など。