トンネル

トンネル

ベルンハルト・ケラーマン 著
秦豊吉 訳

発売日 2020/09/07

判型 四六変型判   ISBN 978-4-336-06666-4

ページ数 520 頁   Cコード 0097

定価 3,850円 (本体価格3,500円)

【内容紹介】

手塚治虫氏!
「SFベスト作品を挙げるようにいわれれば、
この『トンネル』を十指のなかに入れることにいささかもためらいはない」

筒井康隆氏!
「あの手塚治虫にヒントをあたえたほどの作品なら面白い筈と確信して読みはじめたのだが、たしかにこれは面白かった」

舞台はニューヨーク。青年技師マック・アランには、長年温める壮大な計画があった。アメリカとヨーロッパを24時間で結ぶ「大西洋横断海底トンネル超特急プロジェクト」――。老獪な大銀行家ロイドの協力を仰ぎ、投資家からの資金集めに成功する。完成期限は15年……。
未曽有の大工事に18万人の労働者を動員、人類史上かつてないプロジェクトがはじまった。爆発事故の大惨事、株の取り付け騒ぎ、労働者の暴動……。
技師マック・アランの波瀾万丈の四半世紀を描くドイツSFの嚆矢!
手塚治虫氏をして、初期長篇マンガ『地底国の怪人』を描かせた幻の翻訳書!
手塚治虫、筒井康隆両氏のエッセイも収録。

1913年刊行の25カ国で翻訳で翻訳されたドイツ初の国際的ベストセラー小説。若きヒトラーも読んだという。
現代に読みやすく、新字・新仮名、また漢字をひらき、満を持しての幻の翻訳書の復刻。
愛書家も満足の仮フランス装・筒函入。速水螺旋人氏による装画も楽しい。

【著者紹介】

ベルンハルト・ケラーマン (ベルンハルト・ケラーマン)

Bernhard Kellermann 1879-1951
ドイツ・ニュルンベルク近郊フュルト生まれ。ミュンヒェン工科大学卒。1904年に恋愛小説『イェスターとリー』で文壇デビュー。1913年に本書『トンネル』を刊行、25ヶ国語に翻訳されるドイツ初の国際的ベストセラーに。若き日のヒトラーも読んだ。第一次世界大戦時には従軍記者として西部戦線に赴く。第二次世界大戦後は、東ドイツの人民議会議員を務め、また独ソ友好協会を設立。ベルリン芸術家アカデミーの創設メンバーとして東独文壇の礎を築いた。主な著作に『愚か者』『海』『十一月九日』『死の舞踏』等。日本とも縁があり来日経験をもとに、紀行『日本の散歩』『さっさ・よ・やっさ』を著した。

秦豊吉 (ハタトヨキチ)

1892-1956。小説家、翻訳家、演劇プロデューサー。東京帝国大学法学部卒。三菱商事に勤務し7年をベルリンで過ごす。傍ら翻訳を行い、レマルク『西部戦線異状なし』はベストセラーに。小林一三の知遇を得、エンターテインメントへ転じ、日劇ダンシングチームの結成に奔走。戦後も帝国劇場社長としてショービジネス全般に目を配り、ミュージカル女優越路吹雪を育てあげた。主な翻訳にゲーテ『ファウスト』『若きエルテルの悲み』、シラー『ヴィルヘルム・テル』、著書に『独逸文藝生活』『伯林・東京』など多数。一方でサド侯爵をもじった筆名「丸木砂土」でエロティック文学分野を開拓、小説『半処女』や、『世界艶笑芸術』他。