キーワードデヨミトク キタチョウセン レジームノキゲントソノユクスエ

キーワードで読み解く 北朝鮮 体制の起源とその行く末

藤井非三四 著

発売日 2019/10

判型 四六判   ISBN 978-4-336-06550-6

ページ数 480 頁   Cコード 0022

定価 4,180円 (本体価格3,800円)

【内容紹介】

 北朝鮮を巡る情勢判断は、常にはずれて来た。とにかく社会主義を標榜する国で権力世襲が三代続くことを予測した識者は皆無ではなかろうか。情報不足だけが問題ではなく、彼らの頭の中に入り込んでやろうという発想がなかったところに問題があった。
 また、最近では個々の出来事が核兵器、長射程弾道ミサイルとあまりにも重大なので、その現象ばかりを追った結果、全体像を見失った感が強い。そしてまた、ここ一世紀にわたる北東アジア争乱の歴史の中に北朝鮮というピースをはめ込んでみる必要もあろう。
 北朝鮮という国を理解しにくくしている原因は、彼ら独特の行動様式にある。これは抗日パルチザンの時代から綿々と受け継いできたものだ。すなわちそれは、まず「補給闘争」「過剰忠誠」「大量粛清」であり、そこに朝鮮半島独特な「外勢排除」という思潮が加わる。そして全体を統制しているのが「十大原則」だ。
 本書では、常にこのキーワードを意識しつつ、金日成神話に始まる北朝鮮の軌跡を紹介し、近き将来を見通す情報資料(インフォメーション)を提供するものである。

【著者紹介】

藤井非三四 (フジイヒサシ)

軍事史研究家。1950年、神奈川県生まれ。
中央大学法学部法律学科卒業。国士舘大学大学院政治学研究科修士課程修了(朝鮮現代史専攻)。著書に「日本軍とドイツ軍」、「レアメタルの太平洋戦争」、「日本軍の敗因」(学研パブリッシング)、「二・二六帝都兵乱」、「日本の防衛10の怪」(草思社)、「陸海軍戦史に学ぶ負ける組織と日本人」(集英社新書)。「陸軍人事」、「陸軍派閥」、「なぜ日本陸海軍は共同して戦えなかったのか」(潮書房光人社)、「帝国陸軍師団変遷史」(国書刊行会)がある。