宗教学名著選 6
ゲンシブンカ
原始文化 下
エドワード・バーネット・タイラー 著
松村一男 監修
奥山倫明/奥山史亮/長谷千代子/堀雅彦 訳
発売日 2019/08
判型 A5判 ISBN 978-4-336-05742-6
ページ数 626 頁 Cコード 0314
定価 7,260円 (本体価格6,600円)
- シリーズ: 宗教学名著選 (シュウキョウガクメイチョセン)
- 近代宗教学が誕生した19世紀後半以降、我々は「宗教」という言葉で何を掴もうとしたのか。 一方で「宗教」という言葉が覆い隠してしまったものとは何か。 19世紀後半から20世紀半ばにかけて「近代的宗教概念」を成立させた最重要文献の中で、その重要性を認められながらもこれまで翻訳がなかったもの、抄訳、重訳であったものをすべて新たに訳し下ろし、収録する。 「宗教」という言葉そのものの再考をせまる一大叢書。 編集委員/島薗進・鶴岡賀雄・山中弘・松村一男・深澤英隆・奥山倫明・江川純一 企画協力/南山宗教文化研究所
【内容紹介】
文明のなかに未開を見る。
本書の目的は、文明の斉一性と段階的発展を、低い段階の民族と高度な民族との関係に注目しながら考察することにある。
下巻には、アニミズム教義の概略として、転生説、死後の世界、霊の教義、霊的存在の分類、多神教、二元論、至高神、最高神を検討する「アニミズム(二)‐(七)」、宗教儀礼のなかから、祈り、供犠、断食、人為的忘我、方角の決定、祓い、の発展過程を概観する「儀礼と儀式」、そして「結論」を収める。
文化の普遍的発展理論を追い求めた人類学者による、〈文化の科学〉の金字塔!
【著者紹介】
エドワード・バーネット・タイラー (エドワード・バーネット・タイラー)
1832年、イギリスのカンバーウェルに生まれる。トッテナムのフレンド派(クェーカー教徒)の学校で基礎教育を受けたのち、大学へは進学せずに16歳で家業の真鍮鋳造を手伝うが、健康を害して23歳で退職。1855年、療養のために中南米を旅行し、帰国後の1861年に処女作『アナワク』を上梓。1896-1909年、オックスフォード大学の初代人類学教室教授。1917年、サマーセットのウェリントンで死去。『原始文化』において、「文化」を定義したことと、「アニミズム」の概念を提示したことは、現代まで大きな影響を与えている。
松村一男 (マツムラカズオ)
1953年千葉県生まれ。1986年東京大学大学院人文科学研究科満期退学。和光大学教授。主な著書に『神話思考Ⅰ』『神話思考Ⅱ』(言叢社)、『女神の神話学』(平凡社)、『神話学入門』(講談社学術文庫)など。
奥山倫明 (オクヤマミチアキ)
1963年北海道生まれ。1996年東京大学大学院人文社会系研究科修了。南山大学教授。主な著書に『エリアーデ宗教学の展開――比較・歴史・解釈』(刀水書房)、『制度としての宗教』(晃洋書房)、翻訳書にミルチャ・エリアーデ『象徴と芸術の宗教学』(作品社)、マーク・C・テイラー編『宗教学必須用語22』(監訳、刀水書房)など。
奥山史亮 (オクヤマフミアキ)
1980年山形県生まれ。2011年北海道大学大学院文学研究科博士後期課程修了。北海道科学大学全学共通教育部講師。主な著作に『エリアーデの思想と亡命』(北海道大学出版会)。
長谷千代子 (ナガタニチヨコ)
1970年鹿児島県生まれ。2003年九州大学大学院文学研究科社会学専攻博士課程単位修得退学。九州大学大学院比較社会文化研究院准教授。主な著書に『文化の政治と生活の詩学』(風響社)。
堀雅彦 (ホリマサヒコ)
1967年北海道生まれ。2004年北海道大学大学院博士後期課程満期退学。主な著書に『スピリチュアリティの思想史』(リトン、共著)、『よくわかる宗教学』(ミネルヴァ書房、共著)、訳書に『宗教学必須用語22』(刀水書房、共訳)『宗教的回心の研究』(ビイングネットプレス、共訳)。