ウィリアムガキタトキ

ウィリアムが来た時

サキ 著
深町悟 訳

発売日 2019/06/25

判型 四六判   ISBN 978-4-336-06356-4

ページ数 296 頁   Cコード 0097

定価 2,640円 (本体価格2,400円)

【内容紹介】

ドイツ帝国に支配された架空のロンドンを舞台とした、
「短編の名手」サキによる、
本邦初訳ディストピア歴史IF群像劇!

ドイツによる支配が始まってから数ヶ月。街には独英二ヶ国語の文字が並び、ドイツ風の名前の料理店やカフェが軒を連ね、バッキンガム宮殿にはドイツ国旗がはためき、ロンドンはすっかり様変わりした。
その頃社交界では、体制に迎合する者、上手く利用しようとする者、反対する者、関心を持たぬ者など、さまざまな思惑をもった人物たちが、それぞれ己のため、あるいは国のために活動していた。
有閑階級夫人のシシリー・ヨービルが華やかなパーティや催しごとを開く中、野心的な人々が敗戦下での地位を築くために政治劇を水面下で繰り広げる。一方、ドイツによる英国支配をより堅固なものにするべく、クワル卿なる怪人物が暗躍する。
そして、ある晴れた暖かい五月の午後のハイド・パーク。支配を象徴するかのように、高らかにファンファーレを響かせるパレードを従えたドイツ皇帝が、ついにその姿を現す──
(1913年作)

【著者紹介】

サキ (サキ)

イギリスの作家。本名ヘクター・ヒュー・マンロー。1870年英国領ビルマ生まれ。1896年、文筆家を目指しロンドンに居を移し、1899年以降、多くの短編小説を新聞などで発表。「短編の名手」として知られ、多くの読者に愛されている。第一次世界大戦に志願兵として出征し、1916年死去。

深町悟 (フカマチサトル)

1980年福岡県生まれ。同朋大学文学部専任講師。広島大学文学研究科博士課程後期修了(文学博士)。日本学術振興会特別研究員、島根大学外国語教育センターを経て、2018年から現職。ヴィクトリア朝時代末期の世紀末小説、侵攻小説、オスカー・ワイルドやヘンリー・ジェイムズなどを研究。