マンガトヤクブン

漫画と訳文

岡本一平/名取春仙/仲田勝之助 著
春原史寛 解説

発売日 2019/04/04

判型 四六判   ISBN 978-4-336-06349-6

ページ数 234 頁   Cコード 0070

定価 4,950円 (本体価格4,500円)

【内容紹介】

夏目漱石の勧めにより朝日新聞紙面で〈漫画漫文〉という独自のスタイルを築いて大正から昭和にかけて活躍した岡本一平、漱石の挿絵画家として知られた名取春仙、美術評論家仲田勝之助、小学校時代の同級生三人の共著による『漫画と訳文』を新字・新仮名で復刊。『漫画と訳文』は、1911(明治44)年、石川文栄堂から出版された、岡本一平にとって最初の単行本であり、のちの異分野の芸術家による共同制作の先駆ともいえる。大正モダン〈漫画〉とボードレールの詩「パリの憂鬱」〈訳文〉が共鳴する。解説春原史寛。

【著者紹介】

岡本一平 (オカモトイッペイ)

1886(明治19)年、函館市生まれ。1910(明治43)年、東京美術学校卒。1911(大正元)年、朝日新聞社入社。1914年、同じ朝日新聞社に勤めていた夏目漱石の推薦で『探訪画趣』を出版すると、漫画に軽妙な文章を合わせた独自のスタイルで一躍人気作家となり、大正から昭和にかけて活躍。幼少期の手塚治虫にも影響を与えた。芸術家岡本太郎の父、小説家岡本かの子の夫としても知られる。1948年没。

名取春仙 (ナトリシュンセン)

1886(明治19)年、山梨県生まれ。大正時代に役者絵師、日本画家、挿絵画家として活躍。夏目漱石の『三四郎』『虞美人草』『明暗』『それから』などのほか、泉鏡花『白鷺』、石川啄木『一握の砂』、島崎藤村『春』、長塚節『土』、田山花袋『小さな鳩』などの挿絵を描いた。1960年没。

仲田勝之助 (ナカダカツノスケ)

1886(明治19)年、東京生まれ。早稲田大学卒。東京帝国大学卒。読売新聞社、朝日新聞社で美術批評や書評などを担当した。「写楽」「浮世絵類考」「絵本の研究」などの著作がある。1945年没。

春原史寛 (スノハラフミヒロ)

1978年、長野県生まれ。武蔵野美術大学准教授。筑波大学卒。同大学院修了。大川美術館学芸員、山梨県立美術館、同県立博物館学芸員、群馬大学教育学部准教授を経て現職。専門は、近現代日本美術史、博物館学、美術科教育、ポップカルチャー研究。著書に『岡本太郎と「今日の芸術」』(共著、現代企画室)、『超現実主義の1937年』(共著、みすず書房)など。