クサヤネトエフデ

草屋根と絵筆

画家 向井潤吉のエッセイ  

向井潤吉 著
橋本善八 編

発売日 2018/09

判型 四六判   ISBN 978-4-336-06242-0

ページ数 334 頁   Cコード 0071

定価 4,070円 (本体価格3,700円)

【内容紹介】

「草屋根の家」の美しい姿を追い続けた画家が、古きよき民家を求めて北海道から九州まで日本各地を旅して出会った風土や人々。「民家の向井」と呼ばれた画家、向井潤吉は「二十世紀」と同時に生まれ、戦後の高度成長と並行して活躍した。誰もが新しさを求め、古いものを壊し捨てた時代に、独り「日本美」を画面に定着させようしたようにみえる。絵画制作のかたわらに綴ったエッセイの数々は、草屋根の民家の絵とともに、かつて日本人がもっていた豊かさを知ることのできる貴重なドキュメントとなっている。

【著者紹介】

向井潤吉 (ムカイジュンキチ)

1901年、京都生まれ。洋画家。京都市立美術工芸学校を中退,関西美術院に学ぶ。1927年渡欧、ルーヴル美術館にて古典名作の摸写に専念。1933年、世田谷区弦巻にアトリエを構える。1937年、陸軍報道班員として戦争記録画の制作に従事。1944年、インパール戦に従軍。1945年から没するまでの約40年間、全国各地を訪ね草屋根の民家を描き続けた。1995年没。

橋本善八 (ハシモトヨシヤ)

1960年、東京生まれ。世田谷美術館学芸部長。和光大学人文学部芸術学科卒業。2009年、中島敦、土方久功の交流をテーマとした「パラオ──ふたつの人生」展で美術館連絡協議会優秀カタログ賞を受賞。2012年、「暮らしと美術と髙島屋」で美術館連絡協議会奨励賞を受賞。近代日本美術を核に、映画、建築など、関連する周縁領域にまで視野を広げた展覧会を企画。小松市立宮本三郎美術館顧問。和光大学非常勤講師。