グッバイ・クリストファー・ロビン

グッバイ・クリストファー・ロビン

『クマのプーさん』の知られざる真実  

アン・スウェイト 著
山内玲子/田中美保子 訳

発売日 2018/08/23

判型 四六判   ISBN 978-4-336-06260-4

ページ数 336 頁   Cコード 0023

定価 2,970円 (本体価格2,700円)

【内容紹介】

『クマのプーさん』を創作したA・A・ミルンの伝記。
今なお時代や国を超えて愛される『クマのプーさん』の物語。しかし、その誕生の背景には、ある家族の喜びと葛藤の日々があった。
A・A・ミルンに不滅の名声をもたらしたのは4冊の子ども向けの詩集と読み物だった。しかし、物語の予想以上の成功は、劇作家としての名声を望むミルンにとっては不本意であり、家族の平和な日々を破壊し、物語のモデルとなったクリストファーを深い苦悩に追い込んだ。その影を知ることで、いっそう増す魔法の森の安らぎと光・・・・・・。
人間の幸福の真実を映し出す名著、待望の翻訳! 映画化作品。

【著者紹介】

アン・スウェイト

英国の著名な伝記作家。ロンドンに生まれ、オックスフォード大学セント・ヒルダズ・コレッジに学ぶ。児童文学の創作と書評、雑誌編集などからスタートし、伝記作家の道を歩みはじめる。5冊の大部な伝記を次々と著わし、いずれも高い評価を受け、数々の文学賞を得る。フランシス・ホジソン・バーネットの伝記はその第一作。『A・A・ミルン その生涯』は1990年度のウィットブレッド伝記文学賞の栄誉に輝いた。この大部な伝記をコンパクトにして、クマのプーさんの二冊の本と二冊の子どもの詩集の成功が、息子との関係にもたらした変化に焦点をあてた『グッバイ・クリストファー・ロビン』(国書刊行会)もある。夫で詩人のアントニー・スウェイト氏とともに1955年に初来日して以来、日本とは長くて深い縁がある。オックスフォード大学文学博士、王立文学協会会員、ロウハンプトン大学(国立児童文学研究センター)名誉会員、イースト・アングリア大学名誉博士。

山内玲子 (ヤマノウチレイコ)

津田塾大学卒業後、アメリカに留学。イギリスに9 年間在住中、ケンブリッジ大学で日本語専任講師。帰国後、英語非常勤講師を経て翻訳家。主訳書に、ブリッグズ『妖精ディックのたたかい』、イェイツ/フィリップ編『妖精にさらわれた男の子――アイルランドの昔話』、ジョーンズ『わたしのねこカモフラージュ』、キングマン『とびきりすてきなクリスマス』、バーネット『秘密の花園』、ラヴェラ『ダーウィン家の人々――ケンブリッジの思い出』(以上、岩波書店)、ウォトキンズ『英国人――田舎に生きる人々』(共訳、秀文インターナショナル)、ブリッグズ『イギリスの妖精――伝承と文学』(共訳、筑摩書房)、スウェイト『グッバイ・クリストファー・ロビン』(共訳、国書刊行会)、『アントニー・スウェイト対訳詩選集』(共訳、松柏社)、共著書に小池 滋ほか『イギリス』(新潮社)。

田中美保子 (タナカミホコ)

東京女子大学で翻訳学と現代イギリス児童文学を講じながら、児童文学とYA文学の翻訳紹介や研究を行なっている。1986年にザ・マナーを初訪問しボストンと対面、2013年に「ルーシー・ボストン・プロジェクト」を立ち上げて以降、冊子編集、論文執筆や翻訳等でボストンの作品や生涯の紹介に務めてきた。主著にAspects of the Translation and Reception of British Children’s Fantasy Literature in Postwar Japan(音羽書房鶴見書店)など。