金枝篇―呪術と宗教の研究 7

コクモツトヤジュウノレイ

金枝篇7 穀物と野獣の霊(下)

J.G.フレイザー 著
神成利男 訳
石塚正英 監修

発売日 2017/10/10

判型 菊判   ISBN 978-4-336-05559-0

ページ数 336 頁   Cコード 0339

定価 10,450円 (本体価格9,500円)

シリーズ: 金枝篇―呪術と宗教の研究
祭司はなぜ「黄金の枝」を折り取り、前任者を殺すのか―― イタリアの静かな湖畔から、全世界の慣習、儀式、風俗をめぐり、 呪術と宗教の起源をさぐる壮大な旅が、今始まる。 文化人類学はもちろん、20世紀の人文科学全般に多大な影響を与えた畢生の書、本邦初の完訳。 イタリア、ネミの森に残る「金枝」にまつわる森の王の伝説を解明するため、 著者は世界各地の神話、伝説。習慣を探し求め、 呪術と宗教、王と儀礼、人間と社会をめぐる膨大な記録を集積した。 ●「決定版」と言われる1936年刊の第三版全13巻の本邦初の完訳。 ●「簡約版」(邦訳=岩波文庫)では割愛された膨大な原註もすべて収録。著者が典拠とした引用資料を明記。註の中でしか語られない例証も収載。 ●「簡約版」で削除された数々の章、節、エピソードが収載され、フレイザーの思考の流れがより明瞭に。 ●ヨーロッパをはじめ、アジア、アフリカ、オーストラリア、アメリカまで、全世界の慣習、風俗に関して言及。 ●各巻に索引、別巻で総索引を付す。 巻立て変更のお知らせ 当初の発表では、第五部『穀物と野獣の霊』、第七部『麗しのバルドル』を各一巻本で刊行する予定でしたが、 諸般の事情により、原書の巻立てに従って、それぞれ上下二分冊で刊行することにいたしました。 第六巻以降の巻立ては左記のとおりとなります。 第六巻『第五部 穀物と野獣の霊(上)』 第七巻『第五部 穀物と野獣の霊(下)』 第八巻『第六部 スケープゴート』 第九巻『第七部 麗しのバルドル(上)』 第十巻『第七部 麗しのバルドル(下)』 別巻 何卒、ご諒解のほどお願い申し上げます。

【内容紹介】

神々の死と再生に関するフォークロアを詳述。下巻は、神を食べること、肉食に関する類感呪術、神である動物を殺すこと、狩人による野獣の慰霊、人間霊魂の動物への転生、動物聖餐の類型など、動物霊を中心に取り上げる。

【著者紹介】

J.G.フレイザー (ジェームズ・ジョージ・フレイザー)

(1854~1941)スコットランド、グラスゴーに生まれる。ケンブリッジ大学トリニティー・カレッジ入学後、エドワード・タイラーなどに影響を受け人類学・民族学・神話学の研究を開始する。1907年リヴァプール大学教授に就任。40年以上の半生を『金枝篇』執筆と完成のために費やし、その研究はエリオットやコンラッドなどをはじめとする文学や、映画・美術・社会学など様々な領域に影響を与えている。

神成利男 (カンナリトシオ)

1917年秋田県に生まれる。朝鮮総督府・大蔵省財務局などに勤務中本書の翻訳を開始。1970年退職と同時にアイヌの里二風谷に移住、1991年に死去するまで本書の翻訳を続け、完成させる。訳書に『コタン探訪記――日本の知られざる辺境・北海道編』(北海道出版企画センター)などがある。

石塚正英 (イシヅカマサヒデ)

1949年新潟生まれ。1981年立正大学大学院博士後期課程満期退学。現在、東京電機大学名誉教授。博士(文学)。著書に『信仰・儀礼・神仏虐待』(世界書院)、『歴史知とフェティシズム』(理想社)、『歴史知と学問論』(社会評論社)、『石塚正英著作選【社会思想史の窓】』全6巻(社会評論社)、編著書に『哲学・思想翻訳語事典』(論創社)、『石の比較文化誌』(国書刊行会)などがある。