リリアンキョウ

リリアン卿

――黒弥撒  

ジャック・ダデルスワル=フェルサン 著
大野露井 訳

発売日 2016/10/24

判型 四六判   ISBN 978-4-336-06095-2

ページ数 320 頁   Cコード 0097

定価 3,960円 (本体価格3,600円)

【内容紹介】

美しく奔逸な青年貴族リリアンの放蕩の生を、オスカー・ワイルド事件や作家自身が実際に惹起した少年愛スキャンダル「黒ミサ事件」を元に描いた衝撃の問題作、ついに邦訳! 絢爛で暗澹たる耽美と退廃に彩られた、鮮烈で狂おしい愛と憎悪の物語。

【著者紹介】

ジャック・ダデルスワル=フェルサン

パリ生れの作家、詩人(1880-1923)。製鉄業で財をなした男爵家の莫大な遺産を若くして相続する。かの有名なフェルセン伯爵の子孫を名乗り、世界を旅しながら創作を続けた。自宅に少年たちを招いて「黒ミサ」を行ったとして逮捕、事件をもとに代表作『リリアン卿』を執筆する。後半生はカプリ島に拠点を移し、恋人ニーノと共に過ごした。コカインの過剰摂取により死去、自殺と見られている。自らの作品のみならず、雑誌「アカデモ」の創刊を通じて同性愛の問題に正面から取り組んだ点では先駆的な文学者であった。

大野露井 (オオノロセイ)

1983年生れ。法政大学国際文化学部准教授。訳書にジャック・ダデルスワル゠フェルサン『リリアン卿 黒弥撒』(国書刊行会)、モーリス・サックス『魔宴』、チェンティグローリア公爵『僕は美しいひとを食べた』(ともに彩流社)がある。