セッキョウノヒケツ ゾウホバン

現代文  説教の秘訣 増補版

大須賀順意 著
府越義博 編訳

発売日 2014/10

判型 A5判   ISBN 978-4-336-05869-0

ページ数 292 頁   Cコード 2015

定価 4,180円 (本体価格3,800円)

【内容紹介】

 その昔、説教者としての修行は、著名な説教者に随行し、師の身の回りの世話をしながら、あるいは合宿して集中し、普段の態度、挙措心得を学び鍛えられるもので、説教の内容も含め、それらは秘中の秘、口伝による奥義であった。
 説教を基礎から学ぶ初心者向けに書かれた大須賀順意『説教の秘訣』を読みやすい現代文で示し、府越義博による「説教台本作成法」と「武藤幸久真宗説教本コレクションリスト」を付す。今回の増補にあたり、「説教台本作成法」を初心者にもより分かりやすく改めた。
 第1章では、布教師としての日常的心構えや、登壇にあたっての覚悟が説かれる。
 第2章では、布教師としての声の鍛え方、修辞法、才智、学問的教養について述べる。
 第3章では、説教の構成法を4種に分かち、原稿の作り方を記す。
 第4章では、第3章で示した各構成法の例題を示す。
 第5章では、布教師としての熟達度を10段階に分けて示す。布教師は自身がどの段階にあるのか見極め、順々と次の段階に到達できるよう精進すべきである。本書の10段は「段外の1段」という妙境に至るための方便である。
 これから布教師を志す僧侶だけではなく、布教の第1線に立つ僧侶もさらなる向上のために、本書を熟読することを勧めるものである。

【著者紹介】

大須賀順意 (オオスガジュンイ)

嘉永6(1853)年、現在の静岡県掛川市善福寺に生まれる。西尾唯法寺の占部観順師のもとで宗学を修める。明治15(1882)年、善福寺11代住職に就任。節談説教者として名声が高く、遠く九州まで布教。大正8(1919)年没。実弟は第10代大谷大学学長大須賀秀道師。

府越義博 (フゴシギハク)

1951年、岐阜県高山市に生まれ。
大谷大学真宗学科卒業。現在、東京都八王子市本淨寺開教院住職、節談説教研究会事務局長。
古書店で講談本「親鸞聖人御一代記」を入手したことから、面白くわかりやすい布教を模索し始め、情念の布教の復活をライフワークとしていた故武藤師の遺志を継いで、2007年7月、節談説教布教大会をプロデュース。築地本願寺に2,500名の聴衆を集めた。以後、節談研究会の事務局長として若き説教者教育と機関誌「節談説教」の編集に携わっている。
著書に、『現代文 説教の秘訣 増補版』『現代文 大笑小笑』(編訳、国書刊行会)などがある。