異貌の19世紀
フタツノシトウ
二つの死闘
R.D.オールティック 著
井出弘之 訳
発売日 1993/06/24
判型 四六判 ISBN 978-4-336-03491-5
ページ数 280 頁
定価 2,776円 (本体価格2,524円)
- シリーズ: 異貌の19世紀 (イボウノジュウキュウセイキ)
- 19世紀、人々の倦怠の地獄を救うために博物学やオカルト趣味は生じた。酸鼻な犯罪の流行が人々を文学への嗜欲に駆り立てた。犯罪と性、博物学と疑似科学、怪物狂いと商業革命……。看過されてきた意表衝く切り口の輻奏によって、われわれの〈今〉をつくった一文化の美と知の逆説の異貌が、ここに明らかにされる。19世紀ヨーロッパの文化・社会をめぐる最新の研究を収録、〈加速された19世紀〉としての今世紀末を照射する。
【内容紹介】
退役少佐と金貸しの血みどろの死闘、遺産目当てに我が子を殺そうとしたフランス貴族。1861年、ロンドン中を異様な興奮にまきこんだ二つの怪事件を再現、近代ジャーナリズム成立の瞬間を鮮やかに描き出す。
【著者紹介】
R.D.オールティック (リチャードダニエルオールティック)
1915年~2008年。アメリカの英文学者。オハイオ州立大学名誉教授。邦訳に『ロンドンの見世物』、『ヴィクトリア朝の緋色の研究』、『二つの死闘』(以上国書刊行会)、『ヴィクトリア朝の人と思想』(音羽書房鶴見書店)がある。
井出弘之 (イデヒロユキ)
1936年生まれ。東京大学大学院博士課程中途退学。東京都立大学名誉教授。訳書に『ハーディ短篇集』(編訳、岩波書店)、『ダーバヴィル家のテス』(世界文学全集・集英社、後ちくま文庫『テス』)などがある。