1945:もうひとつのフランス 2

ヒメラレタモノガタリローマフウマクアイゲキ

秘められた物語/ローマ風幕間劇

ドリュ・ラ・ロシェル 著
平岡篤頼/高橋治男 訳

発売日 1987/05/23

判型 四六判   ISBN 978-4-336-02722-1

ページ数 212 頁   

定価 2,200円 (本体価格2,000円)

シリーズ: 1945:もうひとつのフランス (モウヒトツノフランス)
フランス現代史の闇の領域を構成する彼ら──コラボラトゥール(対独協力者)。すぐれて文学的香りの高い成果をあげながら、その政治的立場ゆえ長らく抹殺のうきめにあった特異な作家たちをとりあげ、文学的代表作ならびにその思想を最も鮮明に反映した証言(ドキュメント)をそれぞれにピック・アップ、大戦間のフランスに従来とは異なった角度から照明をあてた異色の文学・現代史シリーズ。

【内容紹介】

最晩年ドリュが自らへの挽歌を秘かに綴り、死後61年に刊行され、ドリュ復権の口火を切った遺言的手記『秘められた物語』。恋の破局と友情の破綻が重なる生涯の分岐点に末期の眼をむけた『ローマ風幕間劇』。

【著者紹介】

ドリュ・ラ・ロシェル (ドリュラロシェル)

1893年~1945年。フランスの作家。第一次大戦の兵役から帰還後エッセイ、小説を発表し始める。ヨーロッパを堕落から再生する思想としてファシズムを評価し、対独協力者となった。パリ解放後逮捕状が出たが、潜伏していたパリで自殺する。

平岡篤頼 (ヒラオカトクヨシ)

1929年、大阪生まれ。早稲田大学文学部卒業。現在、早稲田大学教授。『早稲田文学』発行人。著書-創作『消えた煙突』『薔薇を喰う』、評論『変容と試行』『迷路の小説論』『文学の動機』、エッセイ『パリふたたび』訳書-スタンダール『アルマンス』『恋愛論』、バルザック『ゴリオ爺さん』『従妹ベット』『谷間の百合』、ロブ=グリエ『新しい小説のために』『迷路のなかで』『ニューヨーク革命計画』『快楽の漸進的横滑り』、シモン『フランドルへの道』『三枚つづきの絵』『ル・パラス』『風』『盲いたるオリオン』、サロート『マルトロー』『黄金の果実』、ほか。

高橋治男 (タカハシハルオ)

1936年、千葉生まれ。学習院大学文学部卒業。東京都立大学大学院修士課程修了。現在、中央大学教授。著書-『希望と幻滅の軌跡--反ファシズム文化運動』(共著)。訳書-ルフラン『フランス人民戦線』、ニザン『妻への手紙』(共訳)、モーロワ『現代を考える』、ブラジヤック『スペイン・1938年』(『われらの戦前』の部分訳)。