1945:もうひとつのフランス 1

ジル

ジル 上

ドリュ・ラ・ロシェル 著
若林真 訳

発売日 1987/08/24

判型 四六判   ISBN 978-4-336-02721-4

ページ数 350 頁   

定価 3,190円 (本体価格2,900円)

シリーズ: 1945:もうひとつのフランス (モウヒトツノフランス)
フランス現代史の闇の領域を構成する彼ら──コラボラトゥール(対独協力者)。すぐれて文学的香りの高い成果をあげながら、その政治的立場ゆえ長らく抹殺のうきめにあった特異な作家たちをとりあげ、文学的代表作ならびにその思想を最も鮮明に反映した証言(ドキュメント)をそれぞれにピック・アップ、大戦間のフランスに従来とは異なった角度から照明をあてた異色の文学・現代史シリーズ。

【内容紹介】

デカダンスの底からも“ヨーロッパの再生”を希求し、恋から政治へ、革命から情事へと、ゆれ動く青年――ジル。知識人の、大戦間の動乱の歩みをつづる、ドリュの思想と生涯の総決算たる力作。

【著者紹介】

ドリュ・ラ・ロシェル (ドリュラロシェル)

1893年~1945年。フランスの作家。第一次大戦の兵役から帰還後エッセイ、小説を発表し始める。ヨーロッパを堕落から再生する思想としてファシズムを評価し、対独協力者となった。パリ解放後逮捕状が出たが、潜伏していたパリで自殺する。

若林真 (ワカバヤシシン)

1929年、新潟県生まれ。慶応義塾大学文学部仏文科卒業、同大学院博士課程修了。現在、慶応義塾大学文学部教授。著書-『海を畏れる』(小説)、『絶対者の不在』(評論集)、『二十世紀のフランス文学』(共著)、『現代フランス文学作家作品事典』(共編)。訳書-ジッド『贋金つかい』他13点、モーリヤック『癩者への接吻』、ユルスナール『夢の貨幣』、ロブ=グリエ『快楽の館』ほか。