フランス世紀末文学叢書 8

シトブリュージュキリノボウシャ

死都ブリュージュ/霧の紡車

ジョルジュ・ロデンバック 著
田辺保/倉智恒夫 訳

発売日 1984/07/01

判型 四六判   ISBN 978-4-336-02714-6

ページ数 405 頁   

定価 3,850円 (本体価格3,500円)

シリーズ: フランス世紀末文学叢書 (フランスセイキマツブンガクソウショ)
爛熟と頽廃の19世紀末――物質的な繁栄をみながら精神的に荒廃したこの時代に、俗世界へ背を向け、絶対の彼方にありうべからざる人工楽園を創出せんとした美の使徒たち。一時は忘却の底へ沈んだかにみえながら、ここ数年、にわかに脚光を浴びつづけている近代文学の源泉、フランス世紀末文学の最も香り高き作品を15巻に編んだ本邦初の一大アンソロジー。

【内容紹介】

亡き妻の面影をいだきつつ男が彷徨う、憂愁に沈む運河の町ブリュージュ……。ひとつの都市を小説の主人公にすえた名作『死都ブリュージュ』に遺作の短篇を併録したベルギーの文人ロデンバックの小説集。

【著者紹介】

ジョルジュ・ロデンバック (ジョルジュロデンバック)

1855年ベルギー生まれ。ガン大学で法律を学ぶかたわら第一詩集『炉端の野辺』を発表。弁護士を志してパリに法律研修に出た後、ブリュッセルに出て、「若きベルギー」派の主要リーダーとなる。再びパリに戻った後、「フィガロ」誌に『死都ブリュージュ』を発表。パリに住みながら、故郷フランドルの風物をうたった多くの詩作を残す。1898年没。

田辺保 (タナベタモツ)

1930年~2008年。京都大学大学院仏文科博士課程単位取得中退。大阪市立大学名誉教授。著書・訳書多数の業績に対しフランス政府よりパルム・アカデミック・シュヴァリエ受賞。

倉智恒夫 (クラチツネオ)

1936年生まれ。千葉大学教授。専攻フランス文学。訳書にロデンバック『死都ブリュージュ/霧の紡車』(国書刊行会)、チャドウイック『象徴主義』(研究社)など。