世界幻想文学大系 31B

トウホウノタビ

東方の旅  

ジェラール・ド・ネルヴァル 著
篠田知和基 訳

発売日 1984/02/01

判型 四六判   ISBN 978-4-336-02552-4

ページ数 434 頁   

定価 3,520円 (本体価格3,200円)

シリーズ: 世界幻想文学大系
近代日本文学界の私小説的、自然主義的風土の故に、久しく貶められてきた幻想の文学が、今甦る。“進歩”と“科学”の西欧の地下にひそむ“もうひとつの西欧”が生んだ目眩めくような驚異と幻想の物語、そして恐怖と戦慄の物語、解体してゆく自我、噴出する言語の暴力……。本大系の出現によって“もうひとつの西欧”の、異端にして激越なる言語と想像力はその全貌をあらわすであろう。造本=杉浦康平+鈴木一誌

【内容紹介】

夢と神秘の詩人ネルヴァルは1843年、神々の揺籃の地を求めカイロ、シリア、コンスタンチノープルを旅した。地中海の波間に散る星屑は、秘儀信仰の象徴だろうか?詩人唯一の長編の全訳決定版。

【著者紹介】

ジェラール・ド・ネルヴァル (ジェラールドネルヴァル)

1808年~1855年。フランスのロマン主義詩人、作家。ゲーテの『ファウスト』を紹介し、新しいドイツ文学の紹介者として活躍。死後今世紀になって象徴派・シュルレアリストたちによって再評価された。主な作品に『火の娘』、『オーレリア、あるいは夢と人生』、『ローレライ』、『幻想詩集』などがある。

篠田知和基 (シノダチワキ)

1943年生まれ。グルノーブル大学博士課程修了。パリ第8大学文学博士。名古屋大学名誉教授。著書に『幻影の城 ネルヴァルの世界』(思潮社)、『人狼変身譚 西欧の民話と文学から』(大修館書店)、訳書にネルヴァル『阿呆の王』『オーレリア 夢と生』(ともに思潮社)、『ノディエ幻想短篇集』(岩波文庫)などがある。