文学の冒険

ヨルニナルマエニ

夜になるまえに

レイナルド・アレナス 著
安藤哲行 訳

発売日 1997/04/08

判型 四六判   ISBN 978-4-336-03951-4

ページ数 432 頁   

定価 2,750円 (本体価格2,500円)

シリーズ: 文学の冒険
小説世界の境界線を拡げ、読者を挑発する現代文学シリーズ。過激な文学的実験、物語と「語り」の復権、新しい時代の新しい文学を求めて、ラテン・アメリカ文学、アメリカのニューライターズから東欧の知られざる名作まで、いまもっとも注目を集める世界の文学を幅広く紹介する。未知の地平線へ向けて、言葉の世界を探検しよう。

【内容紹介】

エイズを苦にニューヨークで自殺したキューバ人作家アレナス。カストロ政権下の弾圧と投獄の日々を経てアメリカに亡命した彼が、極貧の幼年時代、性の遍歴、自由を希求する魂のあえぎを綴った鮮烈なる自伝。

【著者紹介】

レイナルド・アレナス (レイナルドアレナス)

1943年、キューバの寒村に生まれる。作家・詩人。1965年、『夜明け前のセレスティーノ』が作家芸術家連盟のコンクールで入賞しデビュー。翌年の『めくるめく世界』も同様に入賞したものの出版許可はおりなかった。だが、秘密裏に持ち出された原稿の仏訳が1968年に仏メディシス賞を受賞し、海外での評価が急速に高まる。ただ、政府に無断で出版したことから、その後いっそうカストロ政権下での立場が悪化。そうした国内での政治的抑圧や性的不寛容から逃れるため、1980年、キューバを脱出しアメリカに亡命する。主な作品には『夜明け前のセレスティーノ』から続く5部作《ペンタゴニア》(『真っ白いスカンクどもの館』『ふたたび、海』『夏の色』『襲撃』)『ドアマン』『ハバナへの旅』、詩集『製糖工場』『意思表明をしながら生きる』、自伝『夜になるまえに』などがある。1990年、ニューヨークにて自死。

安藤哲行 (アンドウテツユキ)

1948年岐阜県生まれ。ラテンアメリカ文学研究者。摂南大学名誉教授。著書に『現代ラテンアメリカ文学併走』(松籟社)、訳書に、レイナルド・アレナス『夜になるまえに』『夜明け前のセレスティーノ』、ルイス・セプルベダ『パタゴニア・エキスプレス』(いずれも国書刊行会)、マヌエル・プイグ『天使の恥部』(白水社)、カルロス・フエンテス『老いぼれグリンゴ』、ホルヘ・ボルピ『クリングゾールをさがして』、マリアーナ・エンリケス『わたしたちが火の中で失くしたもの』(いずれも河出書房新社)、エルネスト・サバト『英雄たちと墓』(集英社)、レイナルド・アレナス『ハバナへの旅』、マルタ・トラーバ『陽がかよう迷宮』(いずれも現代企画室)、フアン・ホセ・アレオラ『共謀綺談』(松籟社)、ホセ・エミリオ・パチェーコ『メドゥーサの血』(まろうど社)などがある。