文学の冒険
メクルメクセカイ
めくるめく世界
レイナルド・アレナス 著
鼓直/杉山晃 訳
発売日 2012/07/30
判型 四六判 ISBN 978-4-336-02466-4
ページ数 330 頁 Cコード C0397
定価 2,530円 (本体価格2,300円)
- シリーズ: 文学の冒険
- 小説世界の境界線を拡げ、読者を挑発する現代文学シリーズ。過激な文学的実験、物語と「語り」の復権、新しい時代の新しい文学を求めて、ラテン・アメリカ文学、アメリカのニューライターズから東欧の知られざる名作まで、いまもっとも注目を集める世界の文学を幅広く紹介する。未知の地平線へ向けて、言葉の世界を探検しよう。
【内容紹介】
実在した異端の怪僧セルバンド・デ・ミエル師の波乱に満ちた生涯を元に、全篇を通じて現実と幻想が混淆した途方もない挿話が繰り広げられる奇想天外な歴史小説。キューバの亡命作家アレナスの“幻の書”。
【著者紹介】
レイナルド・アレナス (レイナルドアレナス)
1943年、キューバの寒村に生まれる。作家・詩人。1965年、『夜明け前のセレスティーノ』が作家芸術家連盟のコンクールで入賞しデビュー。翌年の『めくるめく世界』も同様に入賞したものの出版許可はおりなかった。だが、秘密裏に持ち出された原稿の仏訳が1968年に仏メディシス賞を受賞し、海外での評価が急速に高まる。ただ、政府に無断で出版したことから、その後いっそうカストロ政権下での立場が悪化。そうした国内での政治的抑圧や性的不寛容から逃れるため、1980年、キューバを脱出しアメリカに亡命する。主な作品には『夜明け前のセレスティーノ』から続く5部作《ペンタゴニア》(『真っ白いスカンクどもの館』『ふたたび、海』『夏の色』『襲撃』)『ドアマン』『ハバナへの旅』、詩集『製糖工場』『意思表明をしながら生きる』、自伝『夜になるまえに』などがある。1990年、ニューヨークにて自死。
鼓直 (ツヅミタダシ)
1930年生まれ。東京外事専門学校(現東京外国語大学)終了。法政大学名誉教授。訳書にガルシア=マルケス『百年の孤独』(新潮社)、ボルヘス『フロディーの報告書』(白水社)、ボルヘス『伝奇集』(岩波書店)などがある。
杉山晃 (スギヤマアキラ)
一九五〇年、ペルー生まれ。東京外国語大学大学院修士課程修了。現在、清泉女子大学教授。訳書に、バルガス=リョサ『都会と犬ども』(新潮社)、アルゲダス『深い川』、レイ=ローサ『その時は殺され……』(ともに現代企画室)などがある。