日影丈吉全集 4

チョウヘンショウセツⅣタンペンショウセツⅠ

長編小説Ⅳ・短編小説Ⅰ

日影丈吉 著
種村季弘 監修
日下三蔵/横山茂雄 編集

発売日 2003/12/13

判型 A5判   ISBN 978-4-336-04414-3

ページ数 669 頁   Cコード 0393

定価 10,450円 (本体価格9,500円)

シリーズ: 日影丈吉全集
異色のミステリ作家として知られ、戦後最高の幻想小説の書き手であった日影丈吉の初めての全集。単行本未収録短篇約100編を含む全小説、主要エッセイ、評論を網羅。没後10年記念出版。「従来の筋金入りの日影読者はもとより、これからはじめて日影迷宮に迷い込もうとする読者にとっても、このうえない、また唯一無二の案内役をつとめてくれるものと確信してやまない」(種村季弘)

【内容紹介】

隠れキリシタンを先祖に持つ謎の美少年ジャン――カトリック神学を軸にした『地獄時計』、サイコ・スリラー『夕潮』、文明開化の明治に探偵右京慎策が活躍する捕物帖風連作短篇集『ハイカラ右京探偵譚』他。

【著者紹介】

日影丈吉 (ヒカゲジョウキチ)

1908年~1991年。東京・木場に生まれ、中学時代からアテネ・フランセに通いフランス語を習得。1949年『宝石』誌の探偵小説コンクールに「かむなぎうた」を投稿し、江戸川乱歩に高く認められて二席入選、作家活動を開始。幻想的な作風で、熱狂的なファンを有する。1990年に『泥汽車』で第18回泉鏡花文学賞受賞。

種村季弘 (タネムラスエヒロ)

1933年~2004年。東京大学文学部独文科卒。國學院大學教授。著作集『種村季弘のネオ・ラビリントス』全8巻(河出書房新社)、訳書ホッケ『迷宮としての世界』美術出版社(共訳)、『怪奇・幻想・綺想文学集 種村季弘翻訳集成』(国書刊行会)などがある。

日下三蔵 (クサカサンゾウ)

1968年生まれ。ミステリ・SF研究家。編著に『日本SF全集』(出版芸術社、全6巻)、『都筑道夫少年小説コレクション』(本の雑誌社、全6巻)、著書に『ミステリ交差点』(本の雑誌社)などがある。

横山茂雄 (ヨコヤマシゲオ)

1954年大阪府生まれ。別名:稲生平太郎・法水金太郎。京都大学文学部卒、博士(文学)。英文学者、作家。横山名義の著書に『聖別された肉体 オカルト人種論とナチズム』(書肆風の薔薇/増補版:創元社)『異形のテクスト 英国 ロマンティック・ノヴェルの系譜』(国書刊行会)、『神の聖なる天使たち ジョン・ディーの精霊召喚一五八一~一六〇七』(研究社)、訳書にマーヴィン・ピーク『行方不明のヘンテコな伯父さんからボクがもらった手紙』、ヒレア・ベロック『子供のための教訓詩集』、ジョン・メトカーフ『死者の饗宴』(北川依子と共訳)、ウィリアム・フライアー・ハーヴィー『五本指のけだもの』(いずれも国書刊行会)、編著に『遠野物語の周辺』(国書刊行会)、『危ない食卓 十九世紀イギリス文学にみる食と毒』(新人物往来社)など。稲生名義の著書に『何かが空を飛んでいる』(新人物往来社/定本版:国書刊行会)、『アクアリウムの夜』(書肆風の薔薇/角川スニーカー文庫)『アムネジア』(角川書店)、『映画の生体解剖』(高橋洋と共著、洋泉社)、『オカルトがなぜ悪い!』(井村宏次・吉永進一と共著、ビイング・ネット・プレス)など。