日影丈吉全集 3
チョウヘンショウセツⅢ
長編小説Ⅲ
日影丈吉 著
種村季弘 監修
日下三蔵/横山茂雄 編集
発売日 2003/08/29
判型 A5判 ISBN 978-4-336-04413-6
ページ数 609 頁 Cコード 0393
定価 10,450円 (本体価格9,500円)
- シリーズ: 日影丈吉全集
- 異色のミステリ作家として知られ、戦後最高の幻想小説の書き手であった日影丈吉の初めての全集。単行本未収録短篇約100編を含む全小説、主要エッセイ、評論を網羅。没後10年記念出版。「従来の筋金入りの日影読者はもとより、これからはじめて日影迷宮に迷い込もうとする読者にとっても、このうえない、また唯一無二の案内役をつとめてくれるものと確信してやまない」(種村季弘)
【内容紹介】
現実が作中作を模倣するトリッキーな長篇『多角形』、過去と現在が交錯する丸の内の煉瓦街に起こった不可解な事件を扱う『一丁倫敦殺人事件』、他に『夜は楽しむもの』、『殺人者国会へ行く』を収録。
【著者紹介】
日影丈吉 (ヒカゲジョウキチ)
1908年~1991年。東京・木場に生まれ、中学時代からアテネ・フランセに通いフランス語を習得。1949年『宝石』誌の探偵小説コンクールに「かむなぎうた」を投稿し、江戸川乱歩に高く認められて二席入選、作家活動を開始。幻想的な作風で、熱狂的なファンを有する。1990年に『泥汽車』で第18回泉鏡花文学賞受賞。
種村季弘 (タネムラスエヒロ)
1933年~2004年。東京大学文学部独文科卒。國學院大學教授。著作集『種村季弘のネオ・ラビリントス』全8巻(河出書房新社)、訳書ホッケ『迷宮としての世界』美術出版社(共訳)、『怪奇・幻想・綺想文学集 種村季弘翻訳集成』(国書刊行会)などがある。
日下三蔵 (クサカサンゾウ)
1968年生まれ。ミステリ・SF研究家。編著に『日本SF全集』(出版芸術社、全6巻)、『都筑道夫少年小説コレクション』(本の雑誌社、全6巻)、著書に『ミステリ交差点』(本の雑誌社)などがある。
横山茂雄 (ヨコヤマシゲオ)
1954年大阪府生まれ。別名:稲生平太郎・法水金太郎。京都大学文学部卒、博士(文学)。英文学者、作家。横山名義の著書に『聖別された肉体 オカルト人種論とナチズム』(書肆風の薔薇/増補版:創元社)『異形のテクスト 英国 ロマンティック・ノヴェルの系譜』(国書刊行会)、『神の聖なる天使たち ジョン・ディーの精霊召喚一五八一~一六〇七』(研究社)、訳書にマーヴィン・ピーク『行方不明のヘンテコな伯父さんからボクがもらった手紙』、ヒレア・ベロック『子供のための教訓詩集』、ジョン・メトカーフ『死者の饗宴』(北川依子と共訳)、ウィリアム・フライアー・ハーヴィー『五本指のけだもの』(いずれも国書刊行会)、編著に『遠野物語の周辺』(国書刊行会)、『危ない食卓 十九世紀イギリス文学にみる食と毒』(新人物往来社)など。稲生名義の著書に『何かが空を飛んでいる』(新人物往来社/定本版:国書刊行会)、『アクアリウムの夜』(書肆風の薔薇/角川スニーカー文庫)『アムネジア』(角川書店)、『映画の生体解剖』(高橋洋と共著、洋泉社)、『オカルトがなぜ悪い!』(井村宏次・吉永進一と共著、ビイング・ネット・プレス)など。