書評家/ライター朝宮運河
『奥の部屋』(魔法の本棚)
ロバート・エイクマン 著 今本渉 訳
本を読み出すのが人より遅かったためか、若い頃はジャンル小説の忠実な読者に憧れた。しかし読めば読むほど、どうしてかジャンルのコードからはみ出したものに惹かれてしまう。(……)エイクマン『奥の部屋』はまさに名付けようのない作品で、怪談と不条理小説のぎりぎりの位置で危うい魅力を放つ。
『モスマンの黙示』(超科学シリーズ2)
南山宏 監修 ジョン・A・キール 著 植松靖夫 訳
本を読み出すのが人より遅かったためか、若い頃はジャンル小説の忠実な読者に憧れた。しかし読めば読むほど、どうしてかジャンルのコードからはみ出したものに惹かれてしまう。(……)キール『モスマンの黙示』は現実と超現実の交差点を見据えた蠱惑的なオカルト本。
『勇士カリガッチ博士』(探偵クラブ)
三橋一夫 著
本を読み出すのが人より遅かったためか、若い頃はジャンル小説の忠実な読者に憧れた。しかし読めば読むほど、どうしてかジャンルのコードからはみ出したものに惹かれてしまう。(……)三橋一夫『勇士カリガッチ博士』のようなはみ出し方も大好きである。