各界著名人による各界著名人による私が選ぶ国書刊行会の3冊

小説家/文芸評論家川本直

『レッド・ダート・マリファナ』(文学の冒険)

テリー・サザーン 著 松永良平 訳               

創業五十周年を迎えた国書刊行会の歩みは〈文学の冒険〉そのものだ。拙作『ジュリアン・バトラーの真実の生涯』では国書刊行会が架空の主人公達の小説の邦訳を出した版元という設定で、最高にヒップなテリー・サザーン『レッド・ダート・マリファナ』の担当編集者・樽本周馬氏が名前を伏せた形で登場するオマージュを捧げた。

『リリアン卿 黒弥撒』

ジャック・ダデルスワル=フェルサン 著 大野露井 訳               

今、国書刊行会は伝説のオリンピア・プレスに比肩する出版社となったが、その根底を支えるのは狂気すら感じさせる書物への愛だ。海外文学の翻訳では「今澁澤」大野露井を擁して超絶耽美小説『リリアン卿 黒弥撒』を出版し、日本文学では独自の美学と機知溢れるエッセイ集『それいぬ 正しい乙女になるために』で嶽本野ばらを世に出した。

『それいぬ 正しい乙女になるために』

嶽本野ばら 著                 

今、国書刊行会は伝説のオリンピア・プレスに比肩する出版社となったが、その根底を支えるのは狂気すら感じさせる書物への愛だ。海外文学の翻訳では「今澁澤」大野露井を擁して超絶耽美小説『リリアン卿 黒弥撒』を出版し、日本文学では独自の美学と機知溢れるエッセイ集『それいぬ 正しい乙女になるために』で嶽本野ばらを世に出した。