各界著名人による各界著名人による私が選ぶ国書刊行会の3冊

ミュージシャン/作家中原昌也

『法の書』

アレイスター・クロウリー 著 島弘之/植松靖夫 訳             

書店(多分、古書店)で『法の書』を見かけた際の衝撃。永遠のゾッキ本(失礼)。「この本が出版された際には必ず災害が(大意)」みたいな帯には、子供心に影響を受けた。いつか出版されたことが読者に悔やまれる本を出したい!と。おかげで読んだことを後悔させる本は出せました! 内容は『麻薬常用者の日記』の方がぜんぜん面白いです(苦笑)!

《真ク・リトル・リトル神話大系》(全10巻)

H・P・ラヴクラフト 他著 黒魔団 他編

とはいえ国書刊行会のドス黒い書籍たちにときめいていた幼少の頃、一番ビンビンにきたのは《真ク・リトル・リトル神話大系》の一冊。いまだ「クトゥルー」か「クトゥルフ」か「ク・リトル・リトル」かどの表記が正しいのか何なのか知りませんが、現在の新訳よりも読みにくかったせいもあり(何せ子供ですから!)ラヴクラフトよりオーガスト・ダーレスの方がとっつきやすかったでした!

『さらば、シェヘラザード』(ドーキー・アーカイヴ)

ドナルド・E・ウェストレイク 著 矢口誠 訳 若島正/横山茂雄 監修           

《世界幻想文学大系》や《文学の冒険》に大いなる影響を受けたが、現在の《ドーキー・アーカイヴ》もまた刺激的。中でもドナルド・E・ウェストレイクの『さらば、シェヘラザード』が興奮した。もともと犯罪小説家としての氏しか知らなかったが、こんな破壊的な文学作品を書いていたとは! 必読です!