彼らは小さな秘密結社を組織している。
⁂ホルヘ・ルイス・ボルヘス⁂
マルセル・シュオッブ全集
【全一巻】
大濱甫・多田智満子・宮下志朗・千葉文夫・大野多加志・尾方邦雄◎訳
「19世紀末のボルヘス」として今大きな注目を浴びる、夭折の天才作家シュオッブの初の邦訳全集。
『架空の伝記』『モネルの書』『少年十字軍』『黄金仮面の王』『二重の心』をはじめ、
評論や単行本未収録短編まで収録。
推薦=皆川博子、山尾悠子
2015年6月下旬刊行
参考書影
シュオッブについて語るのは、詩について語るのと同じように難しい。語句の一つ
一つが放つ美しい矢の魅力は、その文章に射抜かれなければ、感受できない。
ひとまず、冒頭のように括る。
線条をたどりつつ、古代の希臘[ギリシア]を、中世の欧羅巴[ヨーロツパ]を、あるいは黄
金の仮面で顔を隠した王の哀しみの跡を、あるいは阿片[アヘン]の家を、さまよう
しあわせを、どのような〈今〉の言葉が伝え得るのだろう。
⁂山尾悠子⁂
むかし澁澤龍彦と多田智満子を経由してシュオッブを識った。「眠れる都市」「大地
⁂澁澤龍彦⁂
驚くべく博識で、古代から近代にいたるあらゆる哲学、文学を渉猟しつくしたかに見えたマルセル・
シュオッブは、象徴主義の世代のなかのもっともすぐれた短編作家であり、いわば考証的知識の
幻想ともいうべきものを創り出した。つまり、彼の知識は彼の幻想の基礎なのであり、また逆に言
えば、彼の幻想によって彼の知識はたえず鼓舞されているのである。 文体といい構成といい、作
中にさりげなく盛られた寓意や象徴の自然らしさといい、シュオッブの短編は絶妙である。その代
表的な短編集『二重の心』の序文で、シュオッブは、自分の霊感の源泉には二つの極があり、そ
れは恐怖と憐憫であると述べているから、 彼を近代的な怪奇作家と呼んでもそれほど不都合は
あるまい。 『二重の心』のほかに、シュオッブの代表作には、やはり短編集『黄金仮面の王』があ
り、この二つの色彩豊かな書物には、じつにさまざまな時代、さまざまな環境において展開される
物語が数多く含まれている。有史以前の原始状態(『オジーグの死』)から中世の妖術信仰(『モフ
レーヌの魔宴』『木靴』)まで、古代エジプトの地下墓地(『ミイラ造りの女たち』)から封建時代の乞
食社会(『仮面』)まで、さらには、いつの時代とも分からぬ人類絶滅の風景(『地上の劫火』『未来
の恐怖』『眠れる都』)をも描いて、シュオッブの才筆は、今日のSFの領域にまで手を染めている。
――――――――――――――――――『マルセル・シュオッブ全集』特色――――――――――――――――――
マルセル・シュオッブ(1867-1905)。ボルヘス、ボラーニョ、澁澤龍彦らに
多大な影響を与えたこの夭折の小説家の作品を一巻に集大成する、初めての邦訳全集。
❖・・・・・・『架空の伝記』『黄金仮面の王』『モネルの書』『少年十字軍』などの全小説はもちろんのこと、
今回初めて紹介される評論やエッセーも多数収録。全体の約四割が新訳。本邦初訳も多数。
❖・・・・・・巻末には、シュオッブの愛弟子ピエール・シャンピオンによる詳細な解説
「マルセル・シュオッブの生涯と作品」、解題・年譜を収載。
フランスの作家。 無類の博学を誇る19世紀末の天才作家として、 ヴァレリーやクローデル、ジャリ等にも大きな影響を与える。
シュオッブが生み出した一連の短編小説は特異な文学形式を備えており、 来るべき20世紀の文学が採用した形式を先取りして
いた。『モネルの書』はアンドレ・ジッドの『地の糧』を、『少年十字軍』はウイリアム・フォークナーの『死の床に横たわりて』 を予告
していたし、 ホルヘ・ルイス・ボルヘスやロベルト・ボラーニョもシュオッブに多くを負っている。 日本でも、 その作品は大正期から
いち早く注目され、 シュオッブの邦訳者として上田敏、 堀口大学、日夏耿之介、山内義雄、鈴木信太郎、渡辺一夫などがいる。
【小説】
〈Ⅰ〉二重の心 大濱・多田・大野訳
鏡像幻視の美的恐怖を描く「〇八一号列車」。船幽霊の幻影譚「三人の税関吏」。
ドッペルゲンガー怪談「二重の男」。ほかに、「吸血鬼」「阿片の扉」「交霊術」「骸骨」
「太った男」「琥珀売りの女」「放火魔」等、全34編を収録した第一短篇集。
〈Ⅱ〉黄金仮面の王 大濱・多田・宮下・千葉訳
黙示録的な終末幻想「大地炎上」。仏陀の伝説を自由に展開した悲哀の物語「黄金仮面の王」。
ほか、「ペスト」「贋顔団」「宦官」「話す機械」「塩密売人たち」「青い国」等、全20編。
〈Ⅲ〉擬曲(ミーム) 大濱訳
夢幻的な古代ギリシアの市民生活を刻む、散文詩的小品『擬曲』。
「料理人」「木の燕」「彩色された無花果」「笛の六音」「タナグラ人形の日傘」ほか。
〈Ⅳ〉モネルの書 大濱訳
白い王国の住人である娼婦モネルとその姉妹たちを物語り、《ニヒリズムの福音書》と評される『モネルの書』。
「モネルの言葉」「倒錯的な娘」「夢想する娘」「願いを叶えられた娘」ほか。
〈Ⅴ〉少年十字軍 多田訳
子供ばかりの十字軍という中世の不思議な歴史的現象を詩的現象に変容させ、
《小さな奇跡の書》と讃えられた『少年十字軍』。
「托鉢僧の語り」「三人の児の語り」「法王グレゴリウス九世の語り」ほか。
〈Ⅵ〉架空の伝記 大濱・千葉訳
実在した人物、あるいは実在したかもしれない人物の想像上の伝記を捏造し、
現代の多くの作家たちにはかり知れない影響を与え続ける『架空の伝記』。
「神に擬せられたエンペドクレス」「放火犯ヘロストラトス」「土占師スーフラー」「人殺し
バーク、ヘアー両氏」ほか。補遺として「造化神モルフィエル伝」も収録。
〈Ⅶ〉木の星 大濱訳
シュオッブの最後の創作作品となった、少年アランの探求と挫折の物語。
〈Ⅷ〉単行本未収録短篇 大野・尾方訳
サディストの殺人者を描く「金の留め針」。シュオッブ版ブヴァールとペキュシェ「ユートピア対話」。
近年発見された遺作のレスビアン小説「マウア」。ほかに、「白い手の男」「閉ざされた家」
「栄光の手」「黒髭」「悪魔に取り憑かれた女」等11篇。
【評論】
〈Ⅸ〉拾穂抄 大濱・宮下・千葉訳
生涯心酔したスティーヴンソンを論じて、現実とフィクションの逆転構造を解明する
「ロバート・ルイス・スティーヴンソン」。ほかに「フランソワ・ヴィヨン」「ジョージ・メレディス」
「歓待の聖ジュリアン」「倒錯」「笑い」「愛」「藝術」「混沌」等。ボルヘス
の『続審問』へと通じる、驚嘆すべき博識の横溢する文芸評論集。
〈Ⅹ〉記憶の書 大野訳
アラジン、アリババ、ロビンソン、青髭・・・・・・少年期の豊かな読書の記憶を
美しく回想した、最晩年の珠玉エッセー。
〈Ⅺ〉単行本未収録評論 大野訳
「スティーヴンソンの『テロリスト』」「ラシルドの『不条理の悪魔』」「ジョン・フォードの
『アナベラとジョバンニ』講演」「モル・フランダーズ」「シェイクスピアの『ハムレット』序文」の5編を収録。
解説 ピエール・シャンピオン
解題 瀬高道助
年譜 大野多加志
●二重の心
Ⅰ 二重の心
吸血鬼/木靴/三人の税関吏/〇八一号列車/要塞/顔無し/アラクネ/二重の男/
顔を覆った男/ベアトリス/リリス/阿片の扉/交霊術/骸骨/歯について/太った男/卵物語/師
Ⅱ 貧者伝説
磨製石器時代----琥珀売りの女/ローマ時代 サビナの収穫/十四世紀 メリゴ・マルシェス/
十五世紀 「赤文書」/十六世紀 放火魔/十八世紀 最後の夜/革命時代 人形娘ファンション/
ポデール/アルス島の婚礼/ミロのために/病院/心臓破り/面/サン・ピエールの華/
スナップ写真/未来のテロ
●黄金仮面の王
黄金仮面の王/オジグの死/大地炎上/ミイラ造りの女/ペスト/贋顔団/宦官/
ミレトスの女たち/オルフィラ五十二番と五十三番/モフレーヌの魔宴/話す機械/
血まみれのブランシュ/ラ・グランド・ブリエール/塩密売人たち/フルート/
荷馬車/眠れる都市/青い国/故郷への帰還/クリュシェット
●擬曲
●モネルの書
Ⅰモネルの言葉/Ⅱモネルの姉妹/利己的な娘/官能的な娘/倒錯的な娘/裏切られた娘/
野生の娘/忠実な娘/運命を負った娘/夢想する娘/願いを叶えられた娘/
非情な娘/自分を犠牲にした娘/Ⅲモネル/彼女の出現について/彼女の生活について/
彼女の逃亡について/彼女の辛抱強さについて/彼女の王国について/彼女の復活について
●架空の伝記
エンペドクレス/ヘロストラトス/クラテース/セプティマ/ルクレティウス/クロディア/
ペトロニウス/スーフラー/修道士ドルチノ/チェッコ・アンジェリーノ/パオロ・ウッチェルロ/
ニコラ・ローワズルール/レース作りのカトリーヌ/アラン・ル・ジャンティ/
ゲイブリエル・スペンサー/ポカホンタス/シリル・ターナー/ウィリアム・フィップス/
キャプテン・キッド/ウォルター・ケネディ/ステッド・ボニット少佐/バーク、ヘアー両氏
架空の伝記 補遺
モルフィエル伝
●少年十字軍
托鉢僧の語り/癩者の語り/法王インノケンティウス三世の語り/三人の児の語り/
書記フランソワ・ロングジューの語り/回教托鉢僧の語り/幼ないアリスの語り/
法王グエゴリウス九世の語り
●木の星
●単行本未収録短篇
金の留め針/ティベリスの婚礼/白い手の男/悪魔に取り憑かれた女/黒髭/
栄光の手/ランプシニト/素性/閉ざされた家/ユートピア対話/マウア
●拾穂抄
フランソワ・ヴィヨン/ロバート・ルイス・スティーヴンソン/ジョージ・メレディス/プランゴンとバッキス/
歓待の聖ジュリアン/恐れと憐れみ/倒錯/相違と類似/笑い/伝記の技法/愛/藝術/混沌
●記憶の書
●単行本未収録評論
ラシルドの『不条理の悪魔』/ジョン・フォードの『アナベラとジョヴァンニ』講演/
スティーヴンソンの『爆弾魔』/モル・フランダーズ/シェイクスピアの『ハムレット』序文
解説/解題/年譜
―――――――――WEB限定特別寄稿 「マルセル・シュオッブの復活について」瀬高道助―――――――――
マルセル・シュオッブの近年の再評価の諸事情について、『全集』
解題執筆者である瀬高道助さんから文章をお寄せいただきました。
なお、この文は、近日刊行予定の雑誌『Anthologica 第2号----
シュオッブ特集』収載「シュオッブ復興」の短縮版です。
掲載にあたっては『Anthologica』編集部より、特別のご厚意を頂きました。
「マルセル・シュオッブの復活について」
三十七歳の若さで死んでしまったので分かりにくいが、マルセル・シュオッブはヴァレリーやクローデルやジッドといった二十世紀前半を代表する大作家たちと同世代なのである。たんに同世代人であっただけでなく、かれらとはきわめて親交も深くて、とりわけヴァレリーからは『レオナルド・ダ・ヴィンチ方法序説』を献呈されている。このヴァレリー最初期の傑作の草稿を読んで、最初にその真価を認めたのがシュオッブだったのである。ヴァレリーは弱冠二十三歳、四歳年上のシュオッブだってまだ二十七歳という年齢だ。
作品をシュオッブに献呈したのはヴァレリーだけではない。ジャリもあの怪作『ユビュ王』を捧げている。二十世紀の文学に深い影響を与えた、それもたいそう対照的な二つの作品の献呈を受けというこの事実からだけでも、当時のフランス文学界におけるシュオッブの立ち位置みたいなものが了解できるように思える。
フランスだけではない。十九世紀末の寵児だった英国のオスカー・ワイルドも、その長詩『スフィンクス』をシュオッブに献呈している。シュオッブは、ワイルドの童話『わがままな巨人』を翻訳し、それにワイルドがフランス語で執筆した『サロメ』の校閲を引き受けるほど彼とは交遊が深かった。作品を捧げたわけではないけれど、あのドイツの大詩人リルケも、『少年十字軍』読んで深く感銘を受け、シュオッブに会ってみたいという意味の言葉を手紙のなかに残している。
巨匠となったヴァレリーやクローデルが後年シュオッブについて何か発言しているかどうかは知らないが、次のシュルレアリストたちの世代からもシュオッブの名前はしばしば聞かれる。とくにミシェル・レリスは、作品のなかでなんどかシュオッブに言及していて、『モネルの書』について「否定を極限まで重ねていって、そのすえにやっととらえることのできる純粋さの追求」といった評言を残している。また、アルトーはシュオッブの作品との明らかなえにしを感じさせる「鳥のポールまたは愛の広場」という作品を書いているし、ブルトンの『ナジャ』に『モネルの書』からの影響が色濃いことはたびたび指摘される事実である。そういえば、画家のエルンストのコラージュ『慈善週間』にもシュオッブの引用が見られる。だが、第二次大戦後のアンガージュマンの実存主義から、アンチ・ロマンや構造主義の七〇、八〇年代までは、彼の名前はフランス本国でほとんど話題に上ることはなかった。シュオッブはこの期間、忘れられた作家になりはてていたといってよい。
状況が大きく変わったのは、世紀があらたまる頃からである。二〇〇〇年にシルヴァン・グドマールによる、シュオッブの愛弟子ピエール・シャンピオンの本以来となる新しい伝記が出た。二〇〇二年には、全集といえるような一巻本の作品集が二種類も相次いで出版された。シュオッブの新しいエディションや研究書は、その後も数えきれないほど出版されつづけている。その中には、新発見の、最晩年に書かれたレズビアン小説『マウア』も含まれる。また、没後百年にあたる二〇〇六年には、故郷のナントで回顧展が大々的に開かれ、文芸誌「ユーロップ」が彼の特集を組んでいる。とりわけ、二〇〇四年に設立された、「マルセル・シュオッブ協会」が発行している会報誌は、貴重な新資料が満載された充実した研究雑誌で、現在までに七冊が刊行されている。
まだある。シュオッブとモネルを主人公とした『深紅の船長』というバンド・デシネが二〇〇〇年に出ていて、シュオッブの復活がたんに文学研究者の間だけの狭い現象でない事実を明かしてくれる。エマニュエル・ギベールとダヴィッド・B合作のこの漫画は、シュオッブの魂を奥深いところからとらえたなかなか素晴らしい作品だ。
それに加えて海外での翻訳も盛んだ。とくにスペイン語では、シュオッブの主要作はほとんど読めるのではないだろうか。スペインとラテンアメリカではもともとシュオッブはよく読まれていて、かのパブロ・ネルーダはシュオッブの短篇を二つ訳しているそうだが、この地域の若い文学者たちにもシュオッブは想像以上に有名である。邦訳 を通して私の管見に入っただけでも、例のロベルト・ボラーニョの大作『2666』には、シュオッブを偏愛している文学研究者が登場するし、またボラーニョよりひと世代若い同じチリの小説家アレハンド・ロサンブラの『盆栽』には、三島由紀夫の『金閣寺』と並ぶ形で『モネルの書』の名前が出たりしている。スペインのエンリーケ・ビラ=マタスの『バートルビーと仲間たち』では、倶楽部バートルビーの会員の必読作品として『架空の伝記』の一編が挙がっている。
さて、スペイン語圏のこうした作家たちの上にシュオッブの痕跡が多くみうけられるのには、彼らとって複雑な形で強い影響力をもった、あのボルヘスによるところが大きいのだろう。ボルヘスがシュオッブを愛読していたのは隠れもない事実である。『架空の伝記』によせた序文に、ボルヘスは次のように記している。「この世界のいたるところにシュオッブの信奉者たちがいて、彼らは小さな秘密結社を組織している。シュオッブは名声のためには書かなかった。彼はあえて幸福なる少数者(ハッピー・ヒュー)のために書いた。」なんのことはない。実はほかならぬボルヘスご本人が、この秘密結社の親玉ごとき存在なのである。だから、数年前に出た、フランス作家のボルヘスに与えた影響をテーマにした論文集などには、シュオッブとボルヘスの関係を扱った研究がなんと三編も収録されているほどである。
そもそも若いボルヘスに決定的な影響を与えた、ウルトライスモの先駆者ラファエル・カンシーノス・アセンスは、『架空の伝記』のスペイン語訳を手がけた人物でもあった。ジュネーヴ在住の十代の終わりに、ボルヘスはレミ・ド・グールモンの『仮面の書』を通じてシュオッブに出会ったらしい。ボルヘスは『少年十字軍』の序文も残しているけれど、これは妹のノラが挿絵を描き兄が序文を書くという、兄妹合作の大判豪華本のための文章である。ボルヘスのシュオッブへの熱の入れようが分かろうというものだ。そうして、このボルヘスの存在は、フランス本国におけるシュオッブの復活にも大きく寄与しているようである。現在フランスで出版されているシュオッブの著書の紹介文句には、必ずというほどボルヘスの名前が引用されている。「フランス風ボルヘス(ボルジェ・ア・ラ・フランセーズ)」というのが売り文句なのである。むろん宣伝文だけでない。先に挙げた二種類のシュオッブ作品集の序言でもボルヘスの名前は当然のように冒頭から出てくる。最近のシュオッブ関係の本で、ボルヘスの名前が出てこないものを探す方がむしろ難しいかもしれない。
わが国でも、シュオッブは、早くから熱い注目を受けていた。シュオッブの邦訳者としては、上田敏をはじめとして、堀口大學、日夏耿之介、山内義雄、鈴木信太郎、渡辺一夫、青柳瑞穂、日影丈吉、種村季弘など、まさに錚々たる名前が挙がる。江戸川乱歩、永井荷風、芥川龍之介、中島敦、福永武彦等、日本の作家との関わりは、本全集の解題で少し触れたので、そちらをお読みいただければありがたい。