続・田中卓著作集 6
シュツジンガクトノシュウセンシロク
出陣学徒の終戦史録
附 全巻総目次・要語索引
田中卓 著
発売日 2013/04
判型 A5判 ISBN 978-4-336-05464-7
ページ数 420 頁 Cコード 0321
定価 9,900円 (本体価格9,000円)
- シリーズ: 続・田中卓著作集 (ぞく・たなかたかしちょさくしゅう)
- 『田中卓著作集』(全12冊)完結から13年、著者の学問的情熱はその後も留まることを知らず、次々と新たな研究成果を発表されてきた。今回、博士の米寿を記念し、日本の主要な神社史、大和朝廷の建国史、および大東亜戦争中から師事された平泉澄博士の真姿と終戦の真相を示す論評・資料・記録など、著作集未収録の論文と新稿を、全6巻に編纂して刊行するものである。
【内容紹介】
本書は大東亜戦争を体験した一青年の終戦記録である。「昔の史料に頼り、その恩恵をうける史学者は、過去の研究と同時に、自ら生きた時代に関する体験と知見を史料として書き残す気持ちを忘れるな」という平泉澄博士の教訓から、筆者は若き日に書き綴った2編を、本書に書き残すこととした。
第1論稿は、筆者が昭和20年に海軍経理学校に着任し、海軍少尉に任ぜられた当時の上司に提出した「本土決戦の具体策」の記録である。世間では「本土決戦」などは掛け声だけだったという軽口が流布しているが、それは具体策を書き記した資料類が「軍極秘」のためすべて焼却されたからである。「本土決戦」が当時真剣に想定されていた、という実証を些かでも世に知らせておきたいがために、筆者の手元に残った下書草稿を元に翻刻した。
第2論稿は、筆者自らが体験した大東亜戦争当時の伝聞と所感を、正直に記録にとどめておくことを目的とする。占領統治下の報道範囲は狭く、また物資も不足し、出版書・雑誌は勿論、ノートの入手も困難な時代に記された論稿である。現今の戦史研究家による大東亜戦争史論に比すれば正確さに遜色のあることは言うまでもないが、これもまた「戦後占領統治下での記録」として記しておく。
第3項目は、筆者が創刊した古代・上代史の専門学術誌『日本上古史研究』の「編輯後記」を集録したものである。これをご覧いただければ、敗戦後の昭和32年から7年間の上古史研究学界の素顔が垣間見られるであろう。
第4項目は、平成年代における著者の「古代史セミナー」での150回に及ぶ連続講義の題目一覧である。これは大阪の国民会館において開催された武藤記念講座の一端であるが、市民講座として、毎日新聞の「歴史万華鏡」にも紹介され、好評を博した。その講義の題目だけであるが、この当時の関心の推移が一覧されるであろう。
巻末には、『続・著作集』全6巻の総目次と要語索引、及び第1~5巻までの正誤表を付し、本『続・著作集』利用者の便をはかった。
【著者紹介】
田中卓 (タナカタカシ)
大正12年12月12日生れ(大阪市)
昭和20年9月東京帝国大学文学部国史学科を卒業
昭和35年4月文学博士(旧制)
府立大阪社会事業短期大学教授を経て、昭和37年4月から皇學館大学教授、平成4年4月から同大学大学院教授、平成6年6月から同大学名誉教授、平成23年7月から同大学学事顧問
昭和48年12月皇學館大学文学部長
昭和55年4月から昭和63年3月まで皇學館大学学長
平成30年11月逝去
著書・『住吉大社神代記』『出雲国風土記の研究』『神宮の創祀と発展』『愛国心の目覚め』『住吉大社史』(上・中巻)『概説日本史』(改題『教養日本史』)『祖国を見直そう』『祖国は呼びかける』『日本古典の研究』『日本国家成立の研究』『海に書かれた邪馬台国』『古代天皇の秘密』『皇国史観の対決』『伊勢神宮と式年遷宮』『歴史と伝統』『田中卓著作集』12冊(国書刊行会)『田中卓評論集』4冊(青青企画)
編著・『維新の歌―幕末尊皇志士の絶唱ー』『白山神社史』『真清田神社史』ほか
校訂・『新撰姓氏録』(神道大系)・『神道五部書』(神道大系)・『風土記』(神道大系)