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アフロディテノユビサキ

アフロディテの指先

パルテノン彫刻を読む  

発売日 2017/11/20

判型 四六判   ISBN 978-4-336-06210-9

ページ数 296 頁   Cコード 0071

定価 2,640円 (本体価格2,400円)

内容紹介

おまえの沈黙の形は 永遠がそうするように われわれを考えあぐねさせてしまう

パルテノン・フリーズの一枚の石板に残る微かな痕跡。それは女神アテナの祭礼に臨席している愛と美の女神アフロディテの指。まさしくその彼女の左人差し指の先端が、その先端だけが、奇しくも石板に残っている。その左脇には母の膝に手をおいたエロスがもたれるようにして日傘をさして立っている。彼女は息子に祭礼の先頭を歩む乙女の行列を指差している――なぜエロスは日傘を持っているのか? アフロディテは誰を指差しているのか? ギリシア美術の白眉、パルテノン彫刻に秘められた謎を読み解く。そこからヒストリーのなかのストーリーが立ち上がる。図版約180点収録。

著者紹介

篠塚千惠子 (シノヅカチエコ)

1948年大分県生まれ。武蔵野美術大学教授。早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得満期退学。博士(文学)。横浜美術短期大学、東北芸術工科大学を経て現職。
著書に、『世界美術大全集 西洋編4 ギリシア・クラシックとヘレニズム』(小学館、1995年、共著)、『世界美術大全集 西洋編3 エーゲ海とギリシア・アルカイック』(小学館、1997年、共著)、『死者を記念する――古代ギリシアの墓辺図研究――』(中央公論美術出版、2017年)、訳書に、ジョーン・R・マーテンス『メトロポリタン美術全集2 古代ギリシア・ローマ』(福武書店、1987年)、ジュゼッピーナ・チェルッリ・イレッリ、青柳正規他編『ポンペイの壁画1・2』(岩波書店、1991年、共訳)、エリー・フォール『美術史1 古代美術』(国書刊行会、2002年)、スーザン・ウッドフォード『古代美術とトロイア戦争物語』(ミュージアム図書、2011年、共訳)などがある。

目次

パルテノン彫刻の変遷と新旧アクロポリス美術館
気になる素描
「愛」に選ばれし乙女
 プロローグ アフロディテの指先
 エロスの日傘
 迂回の物語
 マイ・ショート・ストーリー 既視感から生まれた物語

 参考文献
 図版出典
 あとがき

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先史時代から近代に至る造形芸術の歴史と、その内に生き生きと脈打つ形態の精神とを、…


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