オンナタチノナカデ
女たちのなかで
発売日 2015/09/24
判型 四六判 ISBN 978-4-336-05947-5
ページ数 312 頁 Cコード 0097
定価 2,530円 (本体価格2,300円)
元独立戦争の闘士で専制君主のごとく一家に君臨するマイケル・モランは年老い、その身には死が迫りつつあった。妻ローズとの再婚をめぐるエピソード、モランの健康を気遣い、結婚後もモランの様子をうかがいに帰郷する三人の娘たち、モランと衝突したきり二度と家に戻ってこようとはしない長兄ルーク、成長とともに遊びを覚え、ついにはモランの束縛から逃れるため家出をするマイケル。アイルランドの田園地方を舞台に、家族それぞれの人生を流れゆく歳月のなかに描き出し、人生の意味を静かに深く問いかける、マクガハンの最高傑作。アイリッシュ・タイムズ賞、GPA賞受賞作、ブッカー賞候補作。
ジョン・マクガハン (ジョンマクガハン)
1934年アイルランドのダブリンに、警察官の父と小学校教諭の母との間に生まれる。大学を卒業後、小学校教員となる。1963年The Barracksで作家としてデビュー。1965年の第二作『青い夕闇』が発禁処分を受け、教員の職を失い、ロンドンに出て、臨時教員や建築現場の労働者として働く。スペイン、アメリカなどを転々としたすえ、1970年にアイルランドに帰国、再び小説の執筆を始める。『女たちのなかで』(1990)でアイリッシュ・タイムズ賞などを受賞、またイギリスのブッカー賞の候補作にもなった。現代アイルランドを代表する作家の一人である。2006年死去。
東川正彦 (ヒガシカワマサヒコ)
1946年東京都生まれ。早稲田大学卒業。小説に、「虹」(『群像』一九七〇年)、翻訳にジョン・マクガハンの『青い夕闇』『小道をぬけて』『湖畔』(いずれも国書刊行会)などがある。