ゲンソウブンガクコウギ
幻想文学講義
「幻想文学」インタビュー集成
発売日 2012/08/24
判型 A5判 ISBN 978-4-336-05520-0
ページ数 716 頁 Cコード 0090
定価 7,040円 (本体価格6,400円)
伝説の雑誌『幻想文学』に掲載されたインタビューを集大成。「幻想文学」の総体を明らかにし、その神髄を伝える先達諸賢74名による、比類なき極上の幻想文学講義録!
東雅夫 (ヒガシマサオ)
1958年神奈川県生まれ。アンソロジスト、文芸評論家。元「幻想文学」編集長、現「幽」編集長。著書に『遠野物語と怪談の時代』(角川学芸出版、日本推理作家協会賞受賞)、『文学の極意は怪談である』(筑摩書房)、編著に『文豪てのひら怪談』(ポプラ文庫)、共著に『日本幻想作家事典』(国書刊行会)、『響鬼探究』(国書刊行会)ほか多数。
はじめに
Ⅰ 創刊号~20号
澁澤龍彦 オブジェに彩られた幻想譚
荒俣宏 幻想文学ブームの仕掛人として
日野啓三 危機と再生の予感を孕む幻視録
井村君江 ケルト逍遥
中井英夫 月蝕領より
山尾悠子 世界は言葉でできている
奥野健男 幻想文学における原風景
川村二郎 夢みることの倫理
都筑道夫 『幻想と怪奇』の頃
紀田順一郎 恐怖文学出版夜話
由良君美 回想の平井呈一
種村季弘 完全不在のスペクタクル・エッセイ
半村良 名もなき庶民の夢語り
山田風太郎 風太郎、八犬伝を語る
五木寛之 戒厳令の前夜に
尾崎秀樹 暗殺剣としての文学――伝奇ロマン受容の背景をめぐって
佐藤さとる コロボックルという名の小宇宙
天沢退二郎 大地と水と夢
別役実 プリオシン海岸のくるみの実
三木卓 アニミズムがポタポタ
龍膽寺雄 夢の王国見聞記
日影丈吉 聞書・幻想ミステリー
山村正夫 聞書・怪奇ミステリー
阿刀田高 聞書・恐怖ミステリー
松岡正剛 鉱物は生殖しない――鉱物幻想の原郷をめぐる
星新一 戦後・私・SF
筒井康隆 山川草木文房具悉皆成仏虚構戦記
夢枕獏 身体性の変容が孕む幻想と怪奇
笠井潔 SFと〈近代の終焉〉
川本三郎 サイレンス・フィクションの時代
中村真一郎 若き日の夢と文学
窪田般彌 愉しんで文学を……
出口裕弘 現実と異界のはざまで
菊地秀行 恐怖自叙伝
前川道介 ドイツ怪奇文学の愉しみ
矢川澄子 現実と幻想が交錯する世界
種村季弘 言語の迷路の中で
前田愛 闇なる明治を求めて
建石修志 少年は石の傍でまどろむ
Ⅱ 21号~40号
沼野充義 ロシア東欧幻想文学研究書案内
水野忠夫 革命期の想像力
徳永康元 ハンガリー研究事始
天沢退二郎 賢治幻想譜
紀田順一郎 実録「幻想と怪奇」の時代
由良君美 悉皆ロマン主義にはじまる
八木昇 《大ロマン・シリーズ》回想
鈴木貞美 『新青年』研究から見えてきたもの
鮎川哲也 『幻の探偵作家を求めて』の作者を求めて
中島河太郎 全集編纂を終えて――江戸川乱歩研究展望
松山俊太郎 虫太郎研究という不可能願望
四谷シモン ふわり、冷ややかな、幽霊のような人形を――
井村君江 ケルトの真姿を求めて
紀田順一郎 英国怪奇小説の愉しみ
三浦清宏 現代英国心霊模様
奥泉光 幻想文学を突き抜けて
Ⅲ 41号~60号
佐野史郎 かくもエロティックに山々は唸り……
皆川博子 華麗で懐かしい怪異
綾辻行人 人外のものの恐怖
小池真理子 言葉が紡ぐ恐怖
久世光彦 『一九三四年冬―乱歩』をめぐって
京極夏彦 妖怪小説の復権をめざして
澤田瑞穂 わが中国怪異研究の歩み
南伸坊 チャイナ・ファンタジーの悦楽
横尾忠則 シンクロニシティと直観と
野中ユリ 〈夢〉の地表を超えて……
須永朝彦 古典の魅力を伝えたい
高山宏 言語芸術と建築
巖谷國士 幻想芸術としての映画
巖谷國士 アンソロジーとしての自我
恩田陸 本好きに捧げる幻の本の物語
矢野浩三郎 ホラー小説に関わった四十年
風間賢二 モダンホラー・セレクションの頃
小松左京 原風景としての終末幻想
赤江瀑 われは海の子、虚空の子
多田智満子 ボルヘスとわたし
鼓直 ラテンアメリカ文学の紹介
木村榮一 ラテンアメリカ文学の特質
野谷文昭 マジック・リアリズムとは何か
Ⅳ 61号~終刊号
工藤幸雄 『サラゴサ手稿』讃
紀田順一郎 怪談を読む愉しみを伝えたい
南條竹則 怪談の醍醐味は情緒にあり
稲生平太郎 英国怪談の伝統をめぐって
紀田順一郎 我、異端を愛すなり――怪奇幻想文学と出版
『幻想文学』の舞台裏 東雅夫×川島徳絵
あとがき
初出一覧