セッキョウノヒケツ
現代文 説教の秘訣
発売日 2011/05/19
判型 A5判 ISBN 978-4-336-05360-2
ページ数 272 頁 Cコード 3015
定価 4,180円 (本体価格3,800円)
その昔、説教者としての修行は、著名な説教者に随行し、師の身の回りの世話をしながら、普段の態度、挙措心得を学び鍛えられるもので、説教の内容も含め、それらは秘中の秘、口伝による奥義であった。説教を基礎から学ぶ初心者向けに書かれた大須賀順意『説教の秘訣』を読みやすい現代文で示し、府越義博による「説教台本作成法」と武藤幸久真宗説教本コレクションリストを付す。
大須賀順意 (オオスガジュンイ)
嘉永6(1853)年、現在の静岡県掛川市善福寺に生まれる。西尾唯法寺の占部観順師のもとで宗学を修める。明治15(1882)年、善福寺11代住職に就任。節談説教者として名声が高く、遠く九州まで布教。大正8(1919)年没。実弟は第10代大谷大学学長大須賀秀道師。
府越義博 (フゴシギハク)
1951年、岐阜県高山市に生まれ。
大谷大学真宗学科卒業。現在、東京都八王子市本淨寺開教院住職、節談説教研究会事務局長。
古書店で講談本「親鸞聖人御一代記」を入手したことから、面白くわかりやすい布教を模索し始め、情念の布教の復活をライフワークとしていた故武藤師の遺志を継いで、2007年7月、節談説教布教大会をプロデュース。築地本願寺に2,500名の聴衆を集めた。以後、節談研究会の事務局長として若き説教者教育と機関誌「節談説教」の編集に携わっている。
著書に、『現代文 説教の秘訣 増補版』『現代文 大笑小笑』(編訳、国書刊行会)などがある。
はじめに
説教の秘訣
第一章 練習の注意
第一節 精神の修養
一 信念の修養
二 思想の向上
三 真理の活用
四 説教三昧
五 高座上の注意
第二節 言語の練習
一 聖教熟読
二 平生の談話
三 家人との対話
四 他人の説教
五 音声の独習
第三節 態度の注意
一 平生の態度
二 出仕の姿勢
三 高座上の威儀
四 視線の注意
五 説教の服装
第二章 説教の基礎
第一節 音声の練磨
一 学者風の考え
二 説教専門家の説
三 私の実験談
第二節 弁舌の修練
一 言語の使用法
二 正 則
一項 語色法 十一種
(一)形容法 (二)比喩法 (三)対句法 (四)畳字法
(五)進級法 (六)設問法 (七)循環法 (八)寓言法
(九)罵誚法 (十)写音法 (十一)隠現法
二項 言語の八詞格
(一)露骨格 (二)痛哀格 (三)平易格 (四)単素格
(五)周密格 (六)華麗格 (七)雄烈格 (八)滑稽格
三 変 則
第三節 才智の修養
一 天才の有無
二 構成についての才智
三 時機を知る才智
第四節 学問の態度
一 学問の必要
二 普 通 学
三 専 門 学
第三章 説教の組織法
第一節 組織の形式
一 組織法の必要
二 三 分 式
三 四 部 式
四 五 段 法
五 変 則 式
第二節 讃題の区別
一 連 讃 題
二 乱 讃 題
三 一文の見渡し、一句の見込み、一字の見立て
第三節 腹稿の注意
一 全文の草稿
二 略 腹 稿
第四節 説教の二大区別
第五節 聴衆の機類
第六節 注意数件
一 引文の心得
二 説教の席数
三 参考書の選択
第四章 説教の例題
第一 三分式 二席
その一
その二
第二 四部式 二席
その一
その二
第三 五段法 一席
第五章 説教の階段
段道十段
初 段 初入未得位
第二段 弁舌練磨位
第三段 唯弁無法位
第四段 弁舌選択位
第五段 好悪不定位
第六段 自心為本位
第七段 自心入衆位
第八段 自語多材位
第九段 自心分別位
第十段 任運自在位
付 記 段外の一段
説教台本作成法
一 台本作成の意義
二 構 成 法
全体の長さ
讃 題
法 説
譬 喩
因 縁
結 勧
三 正則の台本作成法
四 変則の台本作成法
五 説教の口伝
武藤幸久真宗説教本コレクションリスト